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ほかにない宿泊プラン作りを目指して! 伊豆熱川 自家源泉 おもてなしの宿「みはるや」 塩見沙智さん

2024.11.25

実は宿泊業界では、業界未経験、さまざまな職歴や経験のある方々が多く就職・転職して活躍しています。今回はそんな宿泊業界未経験で転職し、活躍されている方にインタビュー。転職当時の不安をどのように解消し、仕事でやりがいをみつけていったのか、また転職者の働きやすさなどリアルな声をお届けします。

京都でのラーメン屋経営から伊豆に移住。以前から興味のあった宿の仕事へ

現在は伊豆熱川温泉にある「みはるや」で、主に予約フロントのお仕事をメインに、客室係の仕事までサポートする塩見さん。実は前職は京都のラーメン屋さんだったのだとか。

「最初は京都で飲食系の会社に就職して、その後独立して写真やデザインの仕事を少ししていました。自分でお店をやってみたいなという気持ちがあったので、会社員時代の経験を生かしてカフェをオープンしたんです。そのお店が最終的にラーメン屋さんになりました。飲食店での接客の経験は今の仕事にも生きていると思います。またお店を経営した経験は今の予約業務につながっているのかもしれませんね」

そのラーメン屋さんを閉めたタイミングで、伊豆に住む親せきの誘いもあって、少しゆっくりしようとやってきた塩見さん。来てみると自然の豊かさと環境の良さが気に入って、しばらく滞在することに。その際にせっかくだから前から興味のあった宿泊業界の仕事を覗いてみようという気持ちで求人に応募したそうです。

「お店をやっていた当時、京都は多くの外国人観光客で賑わっていました。ちょうどお店の隣が町家を改装したゲストハウスだったんですが、それを近くで見ていたのもあって、宿泊業のお仕事ってどんな感じなんだろうと、その頃からちょっと興味があったんです」

接客の経験はあったものの、飲食店と宿泊施設ではお客様との接し方も違うため、不安もあったと言います。

「周りの環境、特に一緒に働く人たちに恵まれて、不安はすぐになくなりました。それから、なんとなく宿の仕事って厳しそうなイメージがあったんですけど、実際に働いてみると全然そんなことはありませんでした。もちろん、お客さまへの対応とか和室での接客マナーのような基本的なことはしっかりとやりますけど、そこまで堅苦しいことはなくて、未経験でも飛び込みやすい業界だと思います。もちろん、力仕事や忙しい時は体力的にきついと思うこともありますが、それを超えるやりがいがありますので」

運営会社が変わったのが転機。本格的にマネジメント業務にも挑戦

はじめは宿の仕事をちょっと経験してみたいという思いでこの仕事に飛び込んだ塩見さん。当初は宿全体の仕事を知りたいということで、さまざまな業務を経験したそうです。

転機が訪れたのは、お仕事を始めて半年ほど経った頃。宿の運営会社が変わることになったのです。

「新しい運営会社は宿泊業の経験がない会社で、施設もリニューアルしてあらためてリスタートする形になりました。業界未経験の会社がどうやって宿を運営していくんだろうっていうところに興味がわいて、それでそのまま残ることにしました。そのタイミングで宿の仕事の中でも一番興味があった予約業務をメインでやってみたいという希望も出しました」

予約業務というと、お客様からの予約を受けてその割り振りや管理をするのが仕事と思われがちですが、それだけではありません。施設にもよりますが塩見さんの場合は、多くのお客さまに来ていただくための魅力的な宿泊プラン作り、時期や予約状況に合わせた宿泊料金のコントロールといった業務も担っています。

「予約業務というのは、あまり未経験者が担当することが少ない業務なんです。旅館全体の収益などにも関わるマネジメント的な側面が大きいので。なので分からないこともたくさんありましたし、正直プレッシャーもありました。でも経験者の方にいろいろ教えていただいたり、コンサル会社さんに入ったりしていただきながら少しづつ慣れていった感じです」

未経験ながら、今では宿の中心メンバーとして頼りにされる存在となった塩見さん。時には失敗で落ち込むこともあるそうですが、それを次につなげるように心がけているそう。

「落ち込んでいてもしょうがないので、その対応をしっかり考えます。そこできちんとした対応をして次につなげるということしかないですね。お客様に対して何か失礼があった場合も、その対応次第で逆にお客様からお礼を言われることもありますし、あらためてまたご利用いただけることもあります。失敗がただの失敗で終わらない、その先につながるんだということがわかってきたので、最近はそこまで落ち込んだり悩んだりしなくなりました」

お客様からいただく声や反応がやりがい。ほかにはないオリジナルのプランを作りたい

このようにちょっと宿の仕事を覗いてみるつもりが、本格的に移住し宿の仕事をすることになった塩見さん。予約業務をメインにしつつ、客室係のサポート、時には以前のデザインや写真の経験を生かして、料理のメニューやお客様の記念撮影などを担当することも。

今一番やりがいを感じるときはどんなときなのでしょうか。

「やはりお客様からうれしいお声をいただいた時です。あとは私の場合、企画したプランが好評だったとき。これはお客様の感想などはもちろんですが、具体的に数字で見ることができるので、やはり達成感が大きいです。これが予約業務の醍醐味かもしれません」

今後の夢は「ほかの旅館ではやっていないプランを作りたい」とのこと。

「例えば、旅館だと豪華な食事が魅力なんですが、それをあえて変えてデトックスできるプランにするとか。野菜をメインにした食事と温泉でとにかくくつろいでもらえたらと。この宿には砂風呂もありますので、デトックスにはぴったりだと思います。新しいプランを作るには、調理場などたくさんの調整が必要です。とても大変な作業ですが、そこをうまく調整していかに魅力的なプランを作るかが腕の見せ所です」

最近、周りでも宿泊業界で働く若い人が増えてきていると感じることが多いようで、未経験でもやる気があればどんどん飛び込んでみてほしいと心強いメッセージも。

「もちろん、仕事なので厳しさや難しさはあります。でも昔からのイメージで、休みがなくてプライベートの時間が全く持てないみたいなことはありません。周りでも若いスタッフさんが増えていて、そういう人の交流やコミュニティがあるという話もよく聞きますし。また海外から働きに来ている人も多いので、一緒に働いて交流を持つという貴重な経験もできるかもしれません。私もそうだったのですが、そこまで重く考えずにやりたい気持ちがあるならぜひ飛び込んでみてください」


思い切って飛び込んだら、塩見さんのように未経験でも興味のあること、やりたいことが見つかるかもしれません。考えすぎず、思い切って一歩踏み出してみることも大事なのかもしれませんね。

伊豆熱川 自家源泉 おもてなしの宿 「みはるや 」さんの施設紹介/求人情報はこちらから

■伊豆熱川 自家源泉 おもてなしの宿 「みはるや 」
〒413-0302
静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本971-1

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