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いくつ分かる? ホテルや旅館でよく使われる業界用語

2024.05.16

どのようなお仕事でも、職場や業界内で使われる独特の言葉というものがありますよね。いわゆる「業界用語」と呼ばれるものです。もちろん、宿泊業界にもよく使われる業界用語が存在します。今回はそんな宿泊業界の業界用語の中からいくつかピックアップしてご紹介します。

301号室はDDです

DD(ディーディー)は「Don't disturb(邪魔しないで)」の略。客室のドアに宿泊客が掲示するサインの1つで「部屋の掃除やタオルの交換などのサービスは不要なので、入室しないでほしい」旨を示すためのものです。そのサインからスタッフ間では「清掃不要」という意味で使われます。同じ意味で「ドンディス(同様にDon't disturbの略)」が使われることも。
これは主にホテルで使われる用語で、主にフロントと清掃担当などの間で客室清掃の要否情報を共有するために使用します。そのほか、客室の清掃を外注している場合は「DD」と報告書などに記載するなど、口頭で使用する以外に書類上で使われることもあります。

先月はFITが7割、そのうち3割がインバウンドで7割が国内、それ以外がGITでした

それぞれFIT(エフアイティー)は「free individual traveler(個人旅行者)」、GIT(ジーアイティー)は「Group Inclusive Tour(団体旅行)」の略で、個人旅行客と団体旅行客の意味です。どちらもホテルでよく使われる用語。同じ個人旅行客を指す言葉として旅館では「小間客」「コマ」が使われることも。こちらは「小間切れ」から派生した言葉です。
接客などの現場で使われることは少なく、どちらかというとオフィスで情報をまとめたり、共有したりするときによく使われます。

先日お話したあの修学旅行の仮予約、とけたそうです

「物体がとけてなくなってしまう」ことから「とける=予約がなくなる」つまりキャンセルになるという意味で使われています。ホテル、旅館ともによく使われている用語です。同じ意味でホテルでは「Wash(ウォッシュ)」(アメリカの航空業界やホテル業界で使われていたものがそのまま使われるようになったといわれる)が使われることも。
個人客のキャンセルについてではなく、主に団体客などの大きな予約がなくなることを指して使われます。営業や予約関係の職種、それに関連する部門で使われることが多い言葉です。

今日はウォークインが多いね/昨日はノーショウ2つ出ちゃいましたよ/満室なのにゴーショウで困っちゃいました

この3つは似た用語で、同じようなシーンで使われますのでまとめてご紹介します。どれももともとは海外のホテル業界用語として使われていたものが、そのまま使われるようになったといわれています。それぞれ、意味は以下の通りです。
・ウォークイン(Walk-in)→予約なしで直接ホテルに来ること。またはそのゲストのこと
・ノーショウ(No-show)→予約客が予定した日時に施設に到着しないこと。またはそのゲストのこと
・ゴーショウ(Go-show)→予約システムの不備などでホテル側が把握していない予約客が来ること。またはそのゲストのこと。
どれも主にホテルで使われる言葉ですが、「ノーショウ」のみ旅館でも使われています。また旅館では「ノーショウ」と同じ意味で「オバケ」という言い方をすることも。フロント周りでよく使われていて、スタッフ同士の状況共有や引継ぎの場面で登場する機会が多い言葉です。

今日はAチャメ1、Bチャメ1です。よろしくお願いします!

子供のゲスト、もしくは食事の子供メニューの意味。由来は諸説あり、「チャイルドメニュー」「チャイルドメンバー」の略だというものや、「お茶目」が転じたものという説も。具体的な内容に違いがありますが、Aチャメ=主に小学生/料理は大人メニューから数品抜いたもの、Bチャメ=主に3歳~小学生前/お子さまメニュー…などと施設ごとに決まっています。
主に旅館で使われる用語で、予約係、仲居、調理場などの間で予約状況や料理内容の情報共有、確認のためによく使われます。それ以外に、メニュー変更や料金改定などのシーンでも登場する用語です。

今日の宴会場は着席の式典から立食パーティーのどんでんだから大変だぞ…

宴会場などでの催しが終わり、次の催しのために会場を大きく変更すること。歌舞伎で大掛かりな場面転換することやそのために使う装置を呼ぶ「どんでん返し」という言葉が由来といわれています。例えば、会場の仕様をカーペットから畳、イス&テーブルから座卓&座椅子といった変更をする場合などを指して使われます。
旅館はもちろん、宴会場や会議室を持つホテルでもよく使われる用語で、主に宴会部門やMICE(Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibitionの頭文字をもとにした造語。ビジネス、政治、学問的なテーマで開催されるイベントの総称)系の担当スタッフの間でよく使われる言葉です。

今日は中抜けが3時間あるから、どこかにごはん食べに行かない?

旅館用語で、勤務時間の途中にある3~5時間程度の長時間の休憩時間を「中抜け」、そのような休憩時間を含む勤務体制を「中抜け勤務」と呼びます。朝食やチェックアウトで忙しい時間が過ぎてから、チェックインや夕食の対応が始まるまでの時間を「中抜け」とするのが一般的です。
特に仲居や調理場で働く場合に多く見られる勤務形態で、スタッフ間の会話などでよく使われます。

 

宿泊業界の専門用語、あなたはいくつ分かりましたか? 宿泊業界で働くなら、自分で使う機会がなくても、分かるようにしておくと仕事がスムーズに進むことも多いので、ぜひ覚えておいてくださいね。

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