旅館

びわ湖花街道

みんなの想いがつなぐ 100年後も、帰りたくなる場所を。

  • 接客/サービス
  • 仲居
  • 調理人/厨房

観光客で賑わう京都からJR湖西線で20分、ここは琵琶湖の西海岸に位置し、
京都の奥座敷とも呼ばれる「おごと温泉」。
今回は、風光明媚なその場所にある「びわ湖花街道」へやってきました。


料理長を目指して
後輩から頼られる存在に

こちらの調理場では、地域で生産されている希少な伝統野菜や、
琵琶湖にしか棲まない固有魚も使い、素材にもこだわっているそうです。

そんな地元に根差す料理を作り出す調理場で10年間、
びわ湖花街道の味を守り続けてきた諏訪 隼也さんにお話を伺いました。

諏訪さんは今、何を担当していますか?

「今は、煮方をやらしてもらっています。」

和食の世界では下積み3年、という言葉をよく聞きますが実際いかがでしょう?

「うちはやる気次第ですね。『やりたい』と言えば、やらせてもらえるので、
短期間で上に上がることもできると思います。」

それは気合が入りますね!
料理場って厳しいイメージがあるのですが、怒声が響き渡る…なんてことはないのでしょうか?

「そうですね(笑)。以前の職場も、ここでも優しい人が多くて、本当人に恵まれてきたなと思います。」

実際、諏訪さんは物腰も柔らかですし、教え方も上手そうですね。

「言いすぎないようには気を付けていますね。委縮して聞けなくなってしまっても良くないですし。基本的には好きなようにやらせて、間違っていればアドバイスします。普段の雰囲気もワイワイとしていて、休みの日は、一緒にご飯に行くなど仲が良い職場ですね。」



現在は料理長が季節に合わせてすべての献立を考えているそうですが、諏訪さんも自分で献立を考えてみたいと思いますか?

「そうですね。きっと、みんなそうだと思います。でも、まずは下からも、他の部署からも、頼られる人になることです。いつか料理長になることを目指して、基本は守りつつ、見た目にも、味にもこだわった料理を提供できるようになりたいです。」

いつか諏訪さんの考えた献立の会席料理を、味わってみたいです!
最後に、新しい仲間へのメッセージをお願いします。

「料理が好きだったらすぐ馴染めると思うので、どなたでもウェルカムです!
春はお花見、夏は琵琶湖で湖水浴、秋はメタセコイア並木を眺めて、冬は琵琶湖バレイでスキーもできます。
四季が楽しめ、家族でも住みやすい場所です。京都も大阪も近いわりに、閑静で過ごしやすいので、ご応募をお待ちしております!」

 

全員で創る、
最高の笑顔体験

次は入社してちょうど2年になるフロントの本城 千賀さん。
営業や介護など、様々なお仕事を経験されてきた中で、特に大阪のシティホテルのフロントでの接客のお仕事が心に残り、今度は旅館で働くことを決心をされたそうです。

ホテルと、旅館との違いって働いてみて感じますか?

「ホテルは夕朝食がないことがほとんどで、目的が宿泊であることが多いです。
でも旅館に来るお客様が求めるものって、非日常とか癒しとか、そういうものなんですよね。
ホテルよりも、旅館はお客様と接する時間がとにかく長いので、仕事内容が幅広いなって感じます。」

一泊させて頂いたのですが、皆様のチームワークというか、まさに一丸となって、
心を込めておもてなしをされているのが伝わってきました。

「ありがとうございます。先輩後輩の立場に関わらず、みんなが協力し合って、
お客様に最高のおもてなしを提供するにはどうすれば良いかを考えています。」

お客様へのおもてなしで、何か心に残るエピソードはありますか?

「入社2,3か月の頃、あるご夫婦がいらっしゃいました。
お部屋のご案内時に、説明しても頷くのはご主人だけで、奥様はずっと、うつむいたままなんです。
もしかして、体調が悪いのかなって、先輩とも話していました。」

それは気になりますね。

「そうなんです。そしたら翌朝、座っていらした奥様にお会いして、おはようございます!って、挨拶したら、
前日は私の目も見てくれなかった奥様が、笑顔で『おはよう!』って返してくれて。
それからは、次々と『お風呂が気持ち良かった』、「『お食事がとにかく美味しかった』」など、
昨日とはまるで違う表情で話してくたんです。最後は『あなたの笑顔にとても安心できたの』って、
笑顔で帰って行かれたのが、とても嬉しかったですね。」

ここで過ごされた一日が、奥様の表情やお気持ちを変えてしまうくらい、素晴らしい滞在だったのでしょうね!

「旅館では、お客様を心からおもてなしするために、掃除を担当する人、温泉や温度を管理する人、献立を考える料理長、それを形にする調理場の仲間たちに、料理をお出しする接客係。そしてお出迎えやお見送りを担う私たちフロントスタッフ。
全員が一つの思いで動いていて、その積み重ねが、お客様の笑顔に繋がるんだなって、改めて気付かされたし、
この仕事って本当に素晴らしいなって思いました。」

旅館で働くことの喜びって、こういうところですよね。
売店や喫茶のお手伝い、ご夕食時のご案内など、フロント以外の業務もあると聞きましたが、大変ではないですか?

「いえ、むしろプラスだと思っています。フロントはお客様から本当に色々なことを尋ねられます。
料理のこと、接客のこと。それ以外にもテレビがつかないとか、電気が切れているといったことまで。
そうした時に、自分で対応できるようになりたいって思っているんです。」

素晴らしい向上心ですね!「やりたい」と言えば挑戦させてもらえる環境なんですか?

「ミーティングが定期的にあって、その中でマルチタスクに働けた方がより、
お客様の満足度が高まるのではないかという提案をしています。
それぞれの苦労や大変さを知る機会になれば良いなと思います。」

お互いがお客様の笑顔のために部署の垣根を越えて話し合える場があるというのは素晴らしいことですね。

 

出会い、結び、また会える
花街道に咲く物語

次にお話を伺ったのは、今年で花街道に勤めて15年目という若女将 橋本 梨沙さん。
創業者との血縁関係があるわけではなく、実力を買われて若女将になった方です。



大阪を出て住み込み派遣で富山や、城崎の旅館を経験し、ここに社員として腰を落ち着けたということですが、
実は二児のお母様。先ほども息子さんのマラソン大会だったとか…?

「そうなんです。この業界は働く母親が少ないので、私が仕事と旅館の仕事を両立するモデルケースになれたらと思っています。」

ちょうど旅館のハイシーズンと、お子さんの行事が被ってしまうこともありますよね。
お休みはきちんととれていますか?

「はい、ばっちりです!『子供の親は貴女しかいないんだから』と、みんな気持ち良く送り出してくれます。
産休や育休もしっかりといただけました。」

小さなお子様は急に体調を崩すことも多いと思います。そんな中で気持ち良く送り出してくれるのは嬉しいですね。
 


人生の大半をおもてなしのプロとして歩んできた橋本さん。
そんな橋本さんが宿泊業界に感じている魅力って何でしょう?

「私、働いていて一番好きな瞬間があって。
後ろ髪引かれる想いで帰って行かれたお客様がまた帰っていらして、
『いらっしゃいませ』ってお声がけした瞬間に顔を見て『わあ!』って
笑顔をむけて下さるのが嬉しくて。待っていてよかったなって思うんです。」

やり甲斐を感じる瞬間ですね〜!15年も働いていると色々あったと思うのですが、
中でも一番忘れられないエピソードってありますか?

「そうですね…。実は、この旅館で働いている時に、主人と出会ったんですけど、
宴会の接客中にお客様に『実は明日結婚するんです』ってお話したことがあったんです。
そしたら『皆で瀬戸の花嫁 歌おうや!』って。会場のお客様が大合唱してくれて。
自分のために、節目に寄り添ってくれたことが本当に嬉しくて。」

当時を思い出しながら目頭が熱くなっている橋本さんを見て、
私もぐっときてしまいました。

「お客様から喜びをいただいた分、誰かにお返しもできる。
接客に決まった形はないので、その時その場で、自分の個性や持っているものを活かして、
どうすれば人を喜ばせられるかを考えるのが、すごく楽しいんです。」

こういった喜びを若い子たちにも引き継いでいきたいという橋本さん。
びわ湖花街道の研修制度はどのような感じですか?

「社員さんも派遣さんもパートさんも最初は2人1組で必ず先輩が付きます。
早い人だと1週間くらいで独り立ちしますが、ドリンクオーダーなんかは数が多いので
1ヶ月かけてしっかりと覚えてもうようにしています。」

何でも聞ける先輩がいるっていうのは心強いですね。

「あとはワインの抜栓の実技講習のほか、献立説明会も実施しています。
この説明会では、この料理に合うお酒を考えてもらったり、新人の方には、
試食を通して料理について深く学んでもらうようにしています。
料理の撮影に適したタイミングや、会話を盛り上げるための小ネタなども、この場で共有するんですよ。」

お客様との会話を盛り上げられる、先輩からの小ネタが聞ける機会って、
中々ないので、嬉しい取り組みですね。
 

ところで、びわ湖花街道さんってハイクラスなお客様も多いですよね。
私だったら、ちょっと会話に困っちゃうかも…?

「ご安心ください。優しいリピーターのお客様が多く、私たちもお客様のことをよく理解しています。
お酒がお好きな方にはお酒に詳しいスタッフを、お子様連れのお客様には子育て経験のある女性スタッフを配置するなど、
私がお客様に合わせて担当を決めていますので、ご心配なさらなくても大丈夫です。
いきなり厳しいお客様を担当することはありませんので。」

若女将はまるで配役を決めるプロデューサーみたいな存在ですね。
若女将のもとで、臨機応変な対応や、お客様を喜ばせるための様々なスキルを身につけたい方、びわ湖花街道でお待ちしております。

 

人を育てるのは
信じて任せること

最後にお話を伺うのは専務の高野 健一郎さんです。
肌に合わないと大学を中退して、親の仕事を手伝い始めたという、まさに型にはまらない高野さん。
宿泊関係の仕事を始めたのは25年ほど前からだそうです。



口コミを拝見すると、『接客が良い』、『人が優しい』、という評価が多くて、
楽天トラベルの口コミもサービス4.64点(2025.3.19現在)と非常に高評価ですね。
何か心掛けていることがあるのでしょうか?

「一人ひとりの自主性や自律性を大事にしています。
僕はやらされるのが大嫌いなので、みんなもそうだろうなと思って(笑)。
トップダウンではなく、下の子たちの『やりたい』という気持ちと、
どうやったら結果まで出せるかを、セットで考えてもらうようにしています。
もしそれで結果が出なくても、怒ったりせず、一緒に考えてアドバイスしていますね。」

自主性を大切にしながら、きちんとフォローもあるので、成長しやすい環境ですね。
そういえば先ほど、定期的にミーティングも行っていると伺いました。

「ブランディング会議のことですね。部署関係なしにそれぞれが集まって、ミーティングをやっています。
会議の進め方はリーダーを任せて、そこで話し合ったことを、報告してもらうようにしています。」



専務が取り仕切るわけではなく、実際業務に関わる人たちで真剣に話し合う機会があるのは良いことですね。
どんなことを話しているのですか?

「過去アンケートを全て引っ張り出してきて、全員で話し合っています。」

えっ、全てですか!大変な作業かもしれないけれど、お客様からの嬉しいご意見も、
指摘も自分たちの目で見て全体で話し合って考えることができる機会は大変貴重ですね。

今年で75年目のびわ湖花街道、これから高野さんが目指したい形はありますか?

「当館を卒業したスタッフが、誇りに思えるような旅館にしたいですね。
地元の方々から『ぜひここで働きたい』と言っていただけるような、魅力的な職場にしたいと思っています。
そして、もし当館を離れることになったとしても、自分で考え行動できる力を身につけて送り出してあげたいと考えています。」

こちらでは、普段の生活ではなかなか出会う機会のないお客様との出会いもあり、
日々様々な方と接することができるので、人とのコミュニケーションスキルを磨く上でも、非常に勉強になりそうです。

「初めて宿泊業を志す方には『宿泊業は仕事を通じて人間力が高まることが一番の魅力です。』と伝えています。
お給料が良いわけでも、休みが沢山あるわけでもない。
けれど、知らず知らずのうちに、人としての魅力がついきて、それは生涯の財産になるんですよ。」

2日ほど滞在させていただいて、スタッフさん魅力は私も十分に感じています。
お客様も良い人たちが多いそうですね。

「忙しい時には、『ごめんなさい!今日は忙しくて~!あとで顔を出しますね!』って、気軽に内情を話せるような。
それが僕の考えるロイヤルカスタマーって、そういう関係性を持てる間柄だと思うんですよ。
お客様は神様じゃない。対等な存在であって欲しい。
うちの価値観に合わないお客様は無理して来ていただかなくて良いんです。
うちの価値観に合うアンケートなら有難く受け入れて、そうでないなら『放っておけ』って、言っています。」

それが従業員を守ることにも繋がりますよね。
「やっていて楽しくないとつまらないでしょう」と笑う高野さんからは、
本当にお仕事を楽しまれている様子が伝わってきます。

「うちは一般的な旅館とは少し違って、型にはまらないスタイルで運営しています。
休館日にはバーベキューをしたり、パート、アルバイト、社員の区別なく、みんなでワイワイやっていますね!」

大阪や京都のすぐそばにありながら、琵琶湖のほとりで穏やかに時が流れる老舗旅館。
そこには、仲間とお客様のことを第一に考え、人と人との繋がりを大切にする人たちがいました。

子育てを機に環境を変えて働きたい方、今は全くの異業種だけど旅館で働いてみたい方、職場に家族のような仲間が欲しい方。
様々な想いを抱えた人々が一つになれる場所がここ「びわ湖花街道」です。

誰かを幸せにすることで、自分も幸せになれる経験ができる。そんな素晴らしい人生体験をしに、
あなたも、「びわ湖花街道」にいらしてみませんか?


(取材・執筆:永井 優美)
 

もしもこの宿ではたらいたら?

近隣情報

買い物
コンビニ(徒歩3分)、スーパー(徒歩20分
その他施設
小学校(徒歩10分)、郵便局(徒歩5分)、市役所支所(徒歩5分)
交通情報
バス停(徒歩3分)
おごと温泉駅まで徒歩20分

自治体情報

基本情報

数字で見る

  • 平均残業時間

    20時間

  • 年間休日

    105

  • 平均勤続年数

    9

  • スタッフ数

    80

  • 男女比

    4 男性 : 6 女性

  • 外国籍の人数

    7

  • 平均年齢

    40.0

企業名
株式会社国華荘
企業所在地
〒520-0101
滋賀県大津市雄琴1-1-3
施設名
びわ湖花街道
客室数
43
従業員数
80
設立
1951年3月6日
従業員寮

施設から徒歩3分の民間マンション(借り上げ)
間取り:1K、家賃:月1万円(光熱費別)

家賃補助
月1.5万円
アクセス

よくある質問

車での通勤は可能でしょうか?

可能です。従業員のほとんどが車通勤となります。

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