旅館

河一屋旅館

伝統息づく野沢温泉で、 誰もが社長になれる会社づくりを目指して

  • 接客/サービス
  • 仲居
  • 調理人/厨房

長野県にある野沢温泉郷。石畳の道と古民家が並ぶ風情ある街並みを歩くと、まるで時代を遡ったかのよう。あちこちに点在する無料の共同浴場は江戸時代から続く温泉文化の象徴です。冬には雪が舞い、春は山桜が咲き乱れる。自然と文化の調和するこの地に、昭和の時代より人々に愛される温泉宿があると聞き、やって参りました。


 

地元農家さんと協力して
お客さんに郷土の味を届けたい

まずお話を伺ったのは、今年21歳になる新人板前、大平博人さん。河一屋旅館との出会いは企業説明会。高校卒業後、調理の専門学校に通い、インターン先を探していたところ、見覚えのある河一屋旅館の名前を発見。「知っているところだ!」と研修先に選び、そのまま入社を決めたそうです。



現在は板前として活躍をしておりますが、入社後1年間はサービス部門をご経験されたそうですね?

「うちの旅館は、まずは接客を経験するんです。最初はびっくりしましたが、お出迎えやお食事の提供を通して、まずは旅館のことを知ることができたので、やって良かったと思っています。」

宿泊業が未経験でも、まず旅館の流れを知ることができるのは確かに安心ですね。どんなお客様にお料理を提供しているのか分かるので、いざ調理場に立ってからも意識が変わったとか。

「そうですね。夏はファミリー、春秋の行楽シーズンはご高齢のご夫婦、冬は外国の方が増えるので、客層に合わせた料理を出したいと思うようになりました。外国の方向けにベジタリアンメニューも考案しているところです。」

まさにサービス部門での経験が生きていますね!河一屋旅館は食材にこだわっていると聞きましたが、いかがですか?

「はい。今は小布施の農家さんとやりとりをしています。河一屋にお越しになるお客様が、帰りに小布施の農家さんのお店に、立ち寄れる流れが出来たら良いな、なんて思っています。」



ところで、大平さんは調理場に移ってから4か月ということですが、現在どんなお仕事を任されているのですか?

「朝食夕食の仕込みから提供まで、だいたい一人で出来るようになりました。」

え!成長が随分お早いですね。

「チームリーダーは厳しいときもありますが、温厚な方で、聞けば何でも教えてくれてすぐに身に付きました。先輩たちも、部署を問わず忙しい時はさっと手伝ってくれる、チームワークの良い会社だと思います。」



社員同士、仲が良いというのは、職場選びで重視したいポイントのひとつですよね。その他に働きやすいところはありますか?

「中抜けが無いところです。旅館業の友達にも羨ましがられるんですけど、労働時間が同じでも拘束時間が全く違うので気持ちが楽ですね。」

最近だと中抜けを無くしている旅館さんが増えてきましたが、板場さんでも中抜けがないのは珍しいですね!

「そうですね。仲の良い先輩と仕事終わりに飲みに出かけたり、休日は友人と趣味のドライブやラーメン屋巡りに出かけたり、プライベートの予定も立てやすいので助かっています。」

この先大平さんの創る、信州の美味しい郷土料理がいただけるのが楽しみです。

常に先を目指すリーダー企業で、
共に成長したい方へ

スポーツ用品の小売店に勤めた後、大手旅館で働いていたという河野洋一さん。幼馴染の専務から『一緒に働かないか?』と誘いを受け、今はサービスチームのリーダーを務めています。



「専務は考え方がとても斬新なのですが、同じくらい社長も先の発想ができる方ですね。皆を引っ張っていってくれる存在で、仕事のことも、プライベートのことも親身になって相談に乗ってくれます。」

社長は資格を取って、社員研修も直々にされているそうですね。中でも印象に残った研修はありますか?

「MG(マネジメントゲーム)研修です。自分自身が社長になって会社経営を体験できるボードゲームで、どこの現場でも活かせるような…。ちょっと大げさですけど、人生の財産になる内容でした。」

難しそうだけれどゲームになっているのであれば楽しそうですね。
ところで、河一屋旅館はマルチタスクな働き方もされるのですか?

「マルチタスクとまではいきませんが、夕食時など忙しい時はフロントや板場からヘルプで配膳の手伝いをしてもらうこともあります。私も今後はフロント業務をやってみたいと思っています。」

お互いの仕事を知っていて、助け合える環境というのは良いものですね。
チームワークの良さが伺えます。

「チームワークと言えば、ほぼ若手で構成されたレクレーション委員会があるんです。会社全体でBBQをやったり、球技大会をやったり親睦を兼ねた場を考えてくれます。そのあたりもチームワークを深めるきっかけになっているのではないでしょうか。」

それは素敵な取り組みですね。
河野さんはどんな方が、この旅館にあっていると思いますか?

「素直で真面目な方が気質としては合うように思います。できれば活発で元気な方だと嬉しいです。最近は海外のお客さまも多く、英語を活かすためにうちに就職したスタッフもいるので、英語を学びたい方にもお勧めです。」

若い社員の声も吸い上げ、前に進んでいく、河一屋旅館の進化が楽しみですね。

お母さんのお腹にいる頃から訪れていた、
大好きな野沢温泉

こちらはフロント部門の石田凜さん。語学学校を卒業されてから、地元の埼玉を飛び出して新卒で野沢温泉にやって来ました。



どうしてこの地で働くことを選ばれたのですか?

「私がお腹の中にいる頃から、両親が野沢温泉を好きで良く訪れていたらしくて。私も幼い頃に頻繁に連れて来てもらっていたので、いつしか野沢で暮らしてみたいと思うようになりました。小学校の卒業文集にも『将来は野沢温泉に住む!』って書いていたくらい、憧れの暮らしだったんです。」

ついに夢を叶えたわけですね!ご両親も喜ばれたでしょうね。

「はい。私が働き始める前は年に2、3回だった訪問ペースが、拠点ができて頻度が増えました(笑)たまに親族も旅館に泊まりに来てくれるんですよ。」

それは、嬉しいですね。実際に憧れの野沢温泉に暮らしてみてどうですか?

「スーパーが遠いとか、不便な部分はもちろんありました。でも、ふとした瞬間の自然風景に癒されたり、ご近所の方がとても良くしてくださったり、来てよかったなあと思う場面がたくさんあります。」

石田さんは普段どんなお仕事をされているのですか?

「チェックインからチェックアウト、予約処理、電話対応、プラン作成など一般的なフロント業務はだいたい全て行っています。あとは館内装飾の担当もしています。」

玄関に可愛い風鈴が飾ってありましたね。あちらも石田さんの作品ですか?



「はい。季節ごとに変えて、お客様にとって心地よい館内になるように日々励んでいます。専務と大女将が華道をたしなんでいるので、今教えてもらっていて、いつか生け花も習得したいと思っています。」

石田さんが生けた花は、きっと素敵でしょうね。
働く中で嬉しかったエピソードはありますか?

「外国のお客様がスキーで怪我をしてしまったことがあって。何気なく気遣った私の行動を気に入って下さったみたいで、名前を憶えてくれて。日本語を教えてと頻繁に声をかけてくれるようになった時は嬉しかったですね。」

専門学校では語学の勉強をしていたという石田さん。こういった場面で学んできたことを活かして、海外のお客様に安心を与えられるのも嬉しいですよね。



河一屋旅館は、お盆のような繁忙期以外は季節を問わず、木曜日は定休日だそう。お休みのスケジュールが立てやすいということですが、お休みの日は何をして過ごしていますか?

「最近は、長野市の方に電車で一人旅をするのが好きです。電車から見える大自然が、本当に新鮮で面白くて…ここでしか見られない景色だなと感じます。」

寮暮らしだと、時々一人になる時間も大切ですよね。さっき見させて頂いたのですが、綺麗な寮ですよね、お家賃をお伺いして大丈夫ですか?

「月に水道光熱費込みで6000円です。」

え!?6000円ですか?しかも水道光熱費入れて!

「安いですよね。Wi-Fiもあるし、クーラーもついているので住むために買い足したものは、テレビやベッドくらいでした。お風呂もついているのですが、温泉に入りたければ村内に13か所、無料の温泉があるのでうまく使い分けています。」



河一屋旅館ではまかないも一食100円で食べられるとか。冷凍してあるおかずを1品100円で購入できるので、
月2万円生活も夢ではないかも!?

全ては働く仲間のために
野沢温泉のリーダー企業をめざして

祖父母の代で民宿として営業していた河一屋旅館。父がクリーニング業を始めたものの、事業が難しく団体客をメインとした旅館に転身、現社長の河野今朝成さんに変わってからは個人客にシフトし、破竹の勢いで業績を伸ばし続けているそうです。



「苦しい時期があったこそ、反骨精神が今も根付いているように思えます。そういう経験があったからこそ、人材教育にも力を入れています。」

河野社長自ら講師となって研修を行っているそうですが、どんな想いでやられているのですか?

「スタッフの皆には幸せな人生を送ってほしい。ただ、それだけです。物事を多面的に考えたり、他人の価値観を簡単に否定しなかったり、そういった人間性を成長させることで、すべてを肯定的に考えられる人になれると思っています。自分の考えが全てだと思わず、高い視点から物事が見られるようになることが、人生の幸福につながると信じて、研修を行っています。きっとそういう考え方は接客にも生きてくると思います。」

研修を通じて人間力を上げる取り組みが、とても大切なのですね。

「うちではお辞儀の角度だとか、手の振り方だとか、大手の高級ホテルのような洗練されたパフォーマンスは指導しないんです。どちらかというと『お客様のためにやれることをやろう』をモットーにして、お客様の近くに一歩踏み込めるような、おもてなしを心掛けています。」

 

河一屋旅館の研修は、外部の方も参加できるそうですね?

「はい、研修はオープンにしているので、地域の事業者さんや、社長さんにも参加して頂いています。ライバルだけど、手の内を明かしあって地域としてのレベルを上げていこうというような取り組みですね。これはうちの社員にも刺激になっているようです。」



つまり他企業の社長さんと同じテーブルを囲んでグループワークをすることがあるというわけですね! こういった地域活動もあり、河野さんは現在旅館協会の副組合長、観光協会の副協会長も任されているそう。

河一屋旅館は木曜定休を取り入れたり、中抜けを廃止したり、残業も少ないと聞いています。冬の繁忙期でも、定休日を設けているのは正直驚きました。

「冬の稼ぎ時でも一定期間は木曜定休を崩しません。損益分岐点が見えているので、限界まで働く必要はないと思っていますので。元々稼働が高い施設なのですが、改修工事を終えると、もっと効率的に収益化ができるようになります。なので、給与面でも休日面でも、もっと社員に還元できると思っています。地域の旅館もそうなっていけるように、地域のリーダー企業を目指していきたいです。」

そんな河野社長の未来の展望を聞かせて頂けますか?

「ホールディングス化を目指しています。うちの会社にいれば支配人止まりではく社長になれる、そんな夢を描いてほしい。なので、旅館業だけでなく、温泉とゆかりが深い美容や健康を取り扱う事業への参入も進めています。」



このお話を聞いて、河野さんがMG(マネジメントゲーム)研修など、誰でも社長を目指せるような研修を取り入れている理由が分かったように思いました。最後にこれから働きたいという方にメッセージをお願いします。

「野沢温泉はキャラクターが濃い村民が多く、個性的な宿泊施設や飲食店も多い、世界を魅了する素敵な場所です。当社は世界から注目される野沢で自他ともに認めるリーダー的存在。接客が好き!人として成長したい!という方と一緒に仕事ができれば嬉しいです。」


雪深い冬を村民で力を合わせて乗り越え、芽吹きの春を分かち合う。そんな温かな村には、古くからの風習を守りつつ、変わりゆく明日へ向かって、一丸となって進んでいくための、リーダー宿が存在していました。
 

お客様のためだけではなく、地域のために。旅館を飛び越えて、もっと大きなことに挑戦したい方のご応募をお待ちしております!

(取材・執筆:永井優美)





 












 

 

 

もしもこの宿ではたらいたら?

近隣情報

家賃相場
1LDK〜2LDK(5万〜6万)
買い物
コンビニ(200m)、スーパー(8km)
その他施設
病院(359m)、小学校(600m)
交通情報
・飯山駅からバスで25分
・野沢温泉中央ターミナル(徒歩4分)
・上境駅(車で8分)

自治体情報

基本情報

数字で見る

  • 平均残業時間

    0時間

  • 年間休日

    105

  • 平均勤続年数

    7

  • 年間有給休暇
    取得率

    50%

  • スタッフ数

    24

  • 男女比

    1 男性 : 1 女性

  • 平均年齢

    33.0

企業名
株式会社河一屋
企業所在地
〒389-2502
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8923-1
施設名
河一屋旅館
客室数
15
従業員数
24
設立
1970年4月17日
従業員寮

あり

家賃補助
あり
アクセス

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