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宿泊業界で働く人の心に残るエピソード ―スタッフ編―

2024.04.01

仕事選びのポイントとして、環境や条件などと同じくらい職場の人間関係は重要ですよね。宿泊業界で働きたいと思ったら、スタッフ同士の関係はどうなんだろう…というのが気になるところ。今回は、実際に宿泊業界で働く人がこれまでの仕事の中で心に残ったスタッフにまつわるエピソードを教えていただきましたので、ご紹介します。

買収先ホテルの新支配人に。既存スタッフからの言葉にほろり

当時、リゾートホテルのフロントスタッフをしていたT.H.さん。運営会社が買収したホテルへ新支配人として着任したときのエピソードです。

「着任した当初はもともとそのホテルで働いていた既存のスタッフから敵視されていました。指示を聞かない、無視されるなどということが日常茶飯事で、辛い日々が続きました。

着任から4か月ほど経った頃、改装工事のため一旦、ホテルを閉館することに。閉館前にホテルスタッフ全員でパーティーを開催しました。そのパーティーの場で既存のスタッフたちから『今後も退職せずに全員で改装後のホテルの運営も行っていこう!』という言葉が。それを聞いて『やっと少しは認めてもらえたのかな』と泣きそうなくらいうれしくなったことが、いい思い出として残っています」

震災後に応援のため現地へ。上司からの労いにこみ上げるものが

続いては、T.U.さんが東日本大震災の時に体験したエピソードです。震災当時、全国展開するビジネスホテルチェーンの関東地方の施設でフロントスタッフをしていたT.U.さん。震災後、全国各地の施設から次々と支援物資が送られ、被災地の施設の応援のためスタッフも派遣されることに。その派遣メンバーに選ばれ、仙台市のホテル事務所の業務に携わりました。

「派遣先のホテルでは、被災されているスタッフが多くいて、人員が不足している状態でした。そんな中で現地は、既存の予約のお客さまへの電話対応などに追われ、その一方で復旧支援や工事関連などで滞在されるお客さまが続々と到着してチェックインを待っている…という、本当に異様な光景だったことを今でも鮮明に覚えています。

そんな中、私はひたすらフロントに立ち、毎日毎日何時間もチェックインの対応をしました。少しだけあった休日には震災で大きな被害に遭った多賀城市に行き、テレビで報道されていたような津波後の街の状況を目の当たりにしました。

派遣期間を終え、所属のホテルに戻った際には、当時のエリアマネージャーと支配人が待っていてくださり、何も言わずギュッと力強い握手で労ってくださいました。このような災害時や、その後の復興支援においてホテルというのは非常に重要な役割を担っているのだということを身をもって強く感じました。今でも強く印象に残る、忘れられない経験です」

スタッフ総出で仲間の結婚パーティーを開催!

リゾートホテルの総支配人をしていたT.H.さんのお話は、スタッフみんなで仲間の結婚をお祝いしたとてもハッピーなエピソードです。

「当時、私の部下だった副支配人が結婚した際に、本人には内緒でサプライズパーティーを企画しました。こっそり新郎と打ち合わせを行い、ホテルの宴会場をセッティング。パティシエが腕をふるって特別なケーキを作り、料理長が立食用の特別メニューを調理してくれるなど、スタッフ総出で準備しました。

いざ当日! 副支配人は恥ずかしがりながらもすごく喜んでくれていて、サプライズは大成功。とてもいい思い出として心に残っています」

仕事以外の時間も共に過ごす友達のような関係に

仕事中だけでなく、OFFの時間も一緒に過ごすくらい仲の良いスタッフに恵まれたとお話ししてくださったのは、旅館で仲居をしていたY.N.さん。スタッフ同士でさまざまな場所に出かけたことがとても思い出深いそうです。

「当時働いていた旅館では中抜け(勤務時間内にある長時間の休憩)が3時間ありました。いつもはスタッフそれぞれが海辺に昼寝しに行ったり、買い物に行ったりと思い思いに過ごしていたのですが、時には『今日は海に行こう!』と朝からスタッフみんなでワクワクしながら水着を準備し、出かけることも。別の機会には、仕事終わりの20時頃に突然『焼肉に行こう!』ということになり、山を1つ超えて焼肉の食べ放題に行ったりもしました。本当に友達のように仲が良くて、一緒に働けたことはもちろん、そんな風にOFFの時間を過ごせたことも楽しい思い出です」


感動的なエピソードから、ほっこりできるエピソードまで、スタッフ同士の素敵な関係性を伺い知ることができるお話をいろいろとお聞きすることができました。宿泊業界で働くと、職場でこんな仲間との出会いがあるかもしれませんね。

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