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勤務時間は? 休日は? 気になる宿泊業界の労働条件事情

2024.12.13

昔ながらのイメージで、宿泊業界での仕事は「労働時間が長い」「休みが取れない」と思っている方も多いのではないでしょうか。確かに以前はそのような施設が多かったかもしれません。しかし、現在ではそのような労働環境は改善されつつあります。今回は、当サイト「もし宿」の掲載施設のデータを元に、リアルな宿泊業界の労働条件事情をお伝えします。

平均残業時間は月約14時間で一般企業と変わらない

就職、転職の際に最も気になるのが労働条件。特に勤務時間については気になるところですよね。中でも宿泊業界は「長時間労働」のイメージが強く、その点を不安に感じる人も多いかもしれません。

ホテルや旅館といった宿泊施設の仕事は多くの場合、朝晩や遅番などのシフト制が一般的です。担当する業務内容によって幅はありますが1日の平均労働時間は7~8時間ほどとなっていて、一般的な会社員と大きく変わりません。ただシフト制という働き方の特性上、夜勤があるなど勤務時間が不規則になる場合もあります。

勤務時間以上に注目すべきなのが、残業時間です。残業時間の上限は原則として月45時間、年間360時間と定められています。厚生労働省の調査(令和3年)によると、一般労働者の所定外労働時間(残業時間)の平均は13.2時間。一般的に、ホワイト企業と言われる会社の残業時間が月20時間程度、月45時間を超えるとブラック企業と言われます。

「もし宿」掲載施設(2024年11現在)の月の平均残業時間は約14時間。一般の平均とそれほど変わらない結果となりました。特に意識の高い施設では、昨今の働き方改革や宿泊業界の深刻な人材不足を受けて、勤務状況の改善に力を入れている施設も多く、宿泊業界の長時間労働は徐々にですが改善されつつあるようです。

年間休日の平均は107日、有給休暇の取得率は約55%

勤務時間と合わせて気になるポイントとなるのが「休みの取りやすさ」ですよね。宿泊施設には繁忙期があるため、どうしてもそのような時期を外して休みを取る必要があります。ただ、「休みが取りにくい」という宿泊業界のイメージとは違い、「もし宿」掲載施設の年間休日数は平均107日。厚生労働省が実施した調査(令和4年)によると、年間休日の平均日数も107日ですので、施設にもよりますがホテルや旅館でもしっかりお休みが取れる施設は数多くあります。

また、有給休暇の取得率を見てみても、全体が58.3%(前出調査より)に対して、「もし宿」掲載施設の平均が55%。やや下回るものの、極端な差がないという印象です。

それ以外にも、「産休・育休制度」などの取りやすさや連続休暇の取得が可能なことを求人にしっかりと明記している施設が増えるなど、イメージしているよりも休みが取りやすい環境が整っている施設が増えていますので、ぜひそのあたりをポイントに求人をチェックしてみるといいかもしれません。

さらなる労働環境の改善を目指して、施設が奮闘中

勤務時間や休日について、働きやすい環境へと変化していますが、これ以外にもさらなる改善のために、各施設はさまざまな努力をしています。

例えば、「休館日」の設定。施設によってさまざまですが、比較的お客様が減る週の真ん中に1~2日、月に数日などといった形で設定する施設が増えています。休館日を設けることで従業員の休日が確保できるのはもちろん、館内のメンテナンスをしっかり行うこともできます。また休館はしないまでも、客室の販売をコントロールして従業員への負担がかかり過ぎないように調整している施設もあります。

それ以外にも、システムや無人チェックイン機といった機材などを導入することで作業の効率化を図り、スタッフの負担を軽減している場合も。これは、時短や無駄の削減などにも繋がっています。

また若手スタッフを中心に現場の問題点を改善するチームが発足する動きも。以前は上司や先輩のいうことが絶対というような風潮がありましたが、施設の運営やスタッフの働き方改革に若手の意見を積極的に取り入れていこうという雰囲気に変化してきているようです。


今回は、就職、転職の際に気になる勤務時間と休日について、掲載施設のデータをベースにリアルな実情をまとめてみました。宿泊業界の働き方へのイメージが少しは変わったのではないでしょうか。各施設のページでそれぞれのデータもチェックできますので、ぜひ求人を確認してみてください。

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