
移住
転職を機に移住し、仕事も新天地での暮らしも充実 草津温泉 ホテルヴィレッジ 亀井 歩さん
2025.05.13
はじめに、福利厚生の基本をおさらいしておきましょう。福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。
法定福利厚生はその名の通り、法律によって企業に義務付けられているもの。要件や内容が定められており、これを行わない企業は法律違反で処罰されます。この法定福利厚生には、主なものとして健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険、子ども・子育て拠出金、健康診断、年次有給休暇、生理休暇、産休・育休、看護休暇、育児・介護のための時短勤務、介護休暇・休業などが含まれます。
一方の法定外福利厚生は各企業がそれぞれの裁量で設けているものになりますので、会社によって特徴がでます。一般的なものとしては、食事(補助、社食など)、通勤(定期の支給など)、住宅(補助、寮など)、余暇やレクレーション(社員旅行など)、慶弔や災害(お祝い金、香典、お見舞金など)、自己啓発(研修、資格取得など)、財産形成(財形貯蓄など)に関するものがあります。
これらの福利厚生の充実が、社員のモチベーションの向上や、新卒・中途採用の応募状況などにも影響するとあって、多くの企業が工夫を凝らし、魅力的な福利厚生を設けています。
では、宿泊業界における福利厚生の現状はどのようなものなのでしょうか?
なんとなく、ホテルや旅館などは有給休暇や育休などが取りにくいのでは? あまり福利厚生は充実していなそう…というイメージを持っている人が少なくないかもしれません。以前は確かにそのような状況にあったようですが、近年は人手不足ということもあり、少しでも多くの人に興味を持ち、そして働いてほしいと各施設が懸命に改善し、さらに充実させようと日々改善したり見直したりする施設が増えてきました。
特に食事や寮に関する制度が整っている施設が多く、食事面ではお弁当やまかないの支給、食事補助を設けているほか、社員用の食堂を備えているところも。また寮完備の施設も多く、中には天然温泉の大浴場付きなど、魅力的な付帯施設を持つところもあります。
また、研修や資格取得に関する制度が充実しているのも大きな特徴。新人研修や管理職研修などの基本的なもののほか、講師を招いてマナーやコーチングに関するセミナーを実施している施設も。中には、社員だけでなく地域の方々も参加できる講習会やセミナーを行っているところもあります。また、ワインソムリエなどの資格取得や語学学習を支援する制度などもあり、業務に役立つスキル取得をサポートする施設が多くあります。
さらに近年、力を入れている施設が増えているのが子育て支援に関する福利厚生です。産休、育休は当たり前のものとして、子どもの学校行事に参加するための休みを取りやすくするものや、宿にカフェなどを併設して子育て中はそこでの時短勤務を可能にするものなど、子育て中でも無理なく働けるような制度を整えているところが増えています。
これ以外に宿泊施設ならではのユニークな福利厚生を設けている施設も多くあります。
例えば、勉強を兼ねてほかの宿泊施設に泊まるような場合は、その宿泊費用を補助してくれる場合も。また、家族が勤務する施設に宿泊する場合は優待を受けることができたり、スタッフが家族と一緒に宿泊できたりする制度を設けているところもあるようです。
やはり宿泊体験や宿泊補助の制度が充実しているのが、宿泊業界の福利厚生の大きな特徴のひとつですので、ぜひ注目してみてください。
いかがでしたか? 現在の宿泊業界の福利厚生が、思っていたよりもずっと充実していることを知っていただけたのではないでしょうか。もちろん、内容は施設によって異なりますので、就職・転職の際は求人票で条件面などとあわせてしっかり確認してみてくださいね。