旅館
満天の宿
アルペングループだから叶う、自然の中で自分らしく働く
- 調理人/厨房
今回の取材で訪れたのは、1972年創業の総合スポーツ用品企業・株式会社アルペンが運営する、全8室の温泉宿「満天の宿」。岐阜県郡上市、標高約1,000mのウイングヒルズ白鳥リゾート内にあり、名古屋からレンタカーで約90分と意外なほどアクセスの良さも感じられます。

スキーリゾートの敷地内にはキャンプ場や日帰り温泉施設、ホテルも併設され、四季を通して自然を満喫できる環境。車を降りると、野伏ヶ岳(のぶせがたけ)や小白山(おじろやま)といった山々が目の前に広がり、澄んだ空気に包まれる心地よさがありました。自然と上質さが共存するこの場所で、「ここで働く」魅力に迫ります。
料理人として歩んだ半世紀
そのすべてを、次の料理人へ
最初にお話を伺ったのは、厨房で穏やかな表情を見せる料理長・坪井 徹さん。
京都や大阪、名古屋など各地で腕を磨き、半世紀近く料理の道を歩んできた
ベテラン料理人です。
料理人を目指したのは、どんな理由だったんですか?
「手に職をつけたかったんです。子どもの頃から、何かを作る仕事が好きだったんです」
坪井さんはここ岐阜県郡上市の出身。ご両親は教育関係の仕事をしており、
『勉強ができる人が立派』という価値観の中で育ちました。
ご両親からは反対されませんでしたか?
「されましたね(笑)。『料理人なんて!』、と」
それでも料理の道に進めたのは、先輩の説得があったからだといいます。
「『好きなことをやらせてあげたらどうか』って親を説得してくれて。それで大阪の料理学校に行くことになりました」
そこから始まった料理人人生。修行の舞台は
京都、大阪、名古屋、高崎、仙台と全国各地に及びます。
やはり修行は厳しかったですか?
「厳しかったですね。怒鳴られるのは当たり前で、下駄で蹴られることもありましたよ(笑)」
それでも辞めようとは思わなかった?
「思ったことは何度もありますよ。でも、応援してくれた先輩もいたし、最初は反対していた親も最後は送り出してくれましたから。岐阜から出てきて、簡単に帰るわけにはいかなかったんですよ」
なるほど。それは簡単には辞められませんね。
また、ある料理長からの言葉も印象に残っているといいます。
「料理人は職人で終わるな、『文化人になれ!』って言われたんです」
その言葉をきっかけに茶道も学び、15年続けてきたそうです。
名古屋では大型施設の日本料理レストランを任されるなど、
料理人として経験を積んできた坪井さん。
そんな中、50歳で転機を迎えます。
地元に戻られたきっかけは?
「母親の介護ですね。それで郡上に戻りました」
一度は第一線を離れ、蕎麦屋でアルバイトをする日々も経験します。
「時給850円で(笑)。家内には心配されましたね」
しかしその後、料理人として真に忘れ得ぬ時が訪れます。
ここ郡上市で行われたスキー大会「常陸宮杯」にて、常陸宮同妃両殿下の
お食事を担当するという、比類なき大役を仰せつかったのです。
「あの時は本当に緊張しましたね。何もしていないのに、あまりの重圧で自然と2キロも痩せてしまいました(笑)」
その経験を経て、郡上八幡のホテルで料理長に就任。
再び厨房を任されることになります。
そして現在、この宿で料理長として腕を振るっています。
この宿を選んだ理由は?
「以前いたホテルは多忙を極め、休日もままならない日々でした。そんな折、全8室というこの宿に出会ったんです。この規模なら、一皿一皿に自分の理想とする丁寧さを注ぎ込める。そう確信しました。今は心身ともにゆとりができ、最高の状態で料理に向き合えています」
実際の働き方も大きく変化しました。
朝は6時半頃から仕込みと朝食対応を行い、10時からは休憩。
午後は15時頃から再開し、20時頃には業務終了。
以前と比べ、無理のない働き方が実現できているといいます。
また、この宿を運営する母体がスポーツ用品で知られるアルペンであることも、
意外なメリットの一つだと笑います。
「社員は割引制度があるので、趣味のゴルフ用品を買うのに使っています(笑)」
それは嬉しい特典ですね。
現在は副料理長の三浦 由路さんと二人三脚で厨房を支えています。
そして、こんな話も。
「今の副料理長は、ほぼ未経験からスタートしているんですよ」
そうなんですか?
「最初は包丁も慣れていなかったですけど、今はしっかり戦力になっています」
だからこそ、経験よりも大切にしていることがあります。
「料理が好きで、お客さんが美味しそうに食べてくれるのを嬉しいと思える人。それが一番大事だと思います」
既存のやり方をそのまま押し付けるのではなく、
自分なりの工夫や改善も歓迎するのが坪井さんの考え方だそうです。
料理長としての看板料理についても伺いました。
「季節の新丈(しんじょう)ですね。今は桜えびの新丈を出しています」
私も実際にいただきましたが、そのやさしい味わいは印象に残ります。
宿泊客からも『忘れられない味』と声が上がる、この宿の定番料理のひとつです。
最後に坪井さんにとって、この宿はどんな場所ですか?
「たぶん、ここが最後の料理場になると思っています。だからこそ、自分の技術や考え方を、次の世代にもちゃんと伝えていきたいですね」
半世紀の経験を積み重ねてきた料理人が、いま小さな宿で一皿一皿に向き合う。
そして未経験の料理人にも、その技術と想いを伝えていく。
この厨房には、そんな時間が静かに流れていました。
ここで働くことが、
そのまま“心地いい暮らし”になる
館内を落ち着いた所作で行き来しながら、お客様一人ひとりに丁寧に向き合う松本 佳さん。
現在は仲居として活躍されていますが、この仕事に就くまでは全くの未経験だったといいます。

「ここに来る前はまったく違う仕事をしていました。北海道でアルペングループが運営するゴルフ場に勤務していました」
自然に囲まれた環境での仕事から、旅館という新しい世界へ。
大きな転職だったことがうかがえます。
「正直、最初は自分にできるのか不安でしたね」
そう振り返る松本さん。北海道からこの土地へ移り住み、
仕事だけでなく、生活そのものにも変化があったといいます。
「実は、昔アトピーと喘息があったんですけど、ここの空気や水が合ったのか、だんだん良くなっていって。気づいたらほとんど気にならなくなっていて、“ここで暮らしたい”と思うようになりました」
それはすごい変化ですね。
「はい。それもあって、この土地がすごく好きになりました。自然も豊かで、ここにいると気持ちがリセットされるというか、無理せずにいられるんです。本当に過ごしやすいですね」
確かに、星空もとても綺麗でした!
「そうなんです。あの景色を見ると、ここで働いていること自体が贅沢だなと感じます」
環境の良さが、そのまま“ここで働く理由”にもつながっていきました。
未経験からでも成長できる環境なんですよね。
「そうですね。先輩が本当に丁寧に教えてくれますし、『まずやってみよう!』という雰囲気があるので、安心して挑戦できます。“満天の宿”で働くことに合わない人はいないと思うので、どんな人でも適応できる職場だと思います 」
経験の有無に関わらず、一人ひとりのペースに寄り添う。
この宿の風土の中で、松本さんも着実に力をつけてきました。
仕事の中でやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
「やっぱり、お客様に喜んでいただけたときですね。『ありがとう』と言っていただけるのはもちろんですが、お帰りの際に『また来ますね』と言っていただけると、本当に嬉しいです」
生活面はいかがですか?
「寮で生活しているんですが、必要なものはしっかり揃っていて、不便さは感じないですね。一人で過ごしたいときはそうできますし、話したいときは誰かがいてくれるので、すごくちょうどいい距離感だと思います」
働くだけでなく、暮らしの部分でも無理がないこと。
それも長く続けられる理由のひとつです。
働き方の面はいかがですか?
「休日もしっかり取れるので、体力的にも無理なく続けられています。以前の仕事と比べても、メリハリがある働き方だと思います」
最後に、この仕事に向いている人について伺いました。
「人と話すことが好きな方や、相手のことを考えられる方が向いていると思います。最初はできなくて当たり前なので、『やってみたい!』という気持ちがあれば大丈夫です」
未経験から一歩を踏み出し、この土地での暮らしも仕事も自分のものにしてきた松本さん。その姿からは、この仕事のやりがいと、この土地で働く心地よさが自然と伝わってきました。
年齢もキャリアも超えて
フロントから広がる“次の挑戦”
「正直、最初はちょっと不安でした」
そう語ってくれたのは、フロント業務を担当する安心院 海(あじむ しょあ)さん。
取材の冒頭、率直な本音を聞かせてくれました。
現在、接客部門はおよそ10名体制。特徴的なのはその年齢構成です。
地元出身のスタッフが多く、最年長は70代、若手でも50代前後。
そんな中、安心院さんは18歳で(株)アルペンに入社し、現在は21歳。
最年少として現場に立っています。
年齢差のある環境に飛び込むことへの戸惑いは、やはりあったそうです。
しかし、実際に働き始めてみると、その印象は大きく変わりました。
「皆さんすごくフランクで。いい意味で距離が近いんです」
仕事の合間には、地域のお店やおすすめの食事の話で盛り上がることも多く、
繁忙期を乗り越えたあとは食事会を開くなど、
チームとしてのつながりも感じられる職場だといいます。
現場の空気感は、いわゆる“昔ながらの旅館”とは少し違う印象です。
(株)アルペンでは髪色などの自由度もあり、個性を受け入れる風土が根付いている点も
安心院さんにとっては大きな魅力のひとつでした。
働き方についても話を聞いてみました。
「休みはしっかり取れています。繁忙期は忙しくなることもありますが、その分ちゃんと休めているので、
冬は目の前のゲレンデでスノボーを思いっきり楽しんでいます(笑)」
全8室の落ち着いた宿のため長時間勤務は少なく、連休も取りやすいなど、
無理なく自分の時間を大切にできる働き方が可能だとか。
生活面では車が必須になるものの、その分アクセスの良さも感じているそうです。
「名古屋や金沢、福井にも行きやすいので、意外と不便さは感じないですね」
岐阜という土地は、一見すると不便に思われがちですが、
広域への移動がしやすく、プライベートの選択肢も広がる立地だといいます。
そして、話は今後のキャリアへ。
安心院さんは、はっきりとした目標を持っています。
「将来的には、支配人という立場もそうですし、それだけじゃなくて、もっと広い範囲で関わっていきたいと思っています」
この宿だけにとどまらず、スキー場やゴルフ場など、グループ全体の事業に
関わるマネジメントにも興味があるとのこと。
その背景にあるのが、企業としての基盤の強さです。
大きな母体を持つことでの安心感に加え、福利厚生の充実も魅力のひとつ。
グループ店舗の利用や社員割引など、日常的に恩恵を感じられる制度が整っています。
さらに特徴的なのが、教育体制の充実です。
「研修制度がしっかりしていて、“アルペンユニバーシティ”という自分の強みを見つけて伸ばす研修があるんです。この会社ならではだと思いますし、自分自身を見つめ直せるのがありがたいですね」
リモート中心の研修体制のもと、リーダーシップやマネジメントなど、
将来に活きるスキルを着実に学べる環境が整っているのはいいですね。
個性を尊重し強みを伸ばす風土があるからこそ、
年齢や経験に関係なく、自分の可能性を広げていける環境がある。
フロントという最前線から、安心院さんの未来は確かに広がっていました。
リゾート全体を動かす視点
支配人が語る「白鳥で働く面白さ」とは
ウイングヒルズ白鳥リゾート全体を統括する支配人の伊澤 友康さん。
スキー場だけでなく、旅館やキャンプ場、温泉施設、レストランまでを横断的に
見ている立場です。まず驚いたのは、そのキャリアの幅広さでした。
新卒でアルペングループに入社し、もともとは北海道で販売職としてキャリアをスタート。
スキー用品を中心に店舗運営に携わり、その後は岐阜・名古屋・関西・関東と各地を経験。
そして約3年前、この白鳥の地に赴任されたそうです。
「ここに来るまではずっと小売の現場でした。リゾート事業は本当にゼロからのスタートでしたね」
全く異なるフィールドへの挑戦。
どうやって順応していったのかを伺うと、
意外な答えが返ってきました。
「リゾート事業としては複数のゴルフ場を運営している一方で、スキー場はこの施設のみ。そのため社内に相談できる相手が少なく、当初は手探りの状態でした。そこで自ら競合のスキー場へ足を運び、視察を重ねながら、現地の支配人の方々に直接話を伺い、多くのことを学ばせていただきました」
競合でありながらも、地域としての発展を考えたときに助け合う関係性がある。
現場ならではのリアルな学び方に、思わずうなずいてしまいました。
そんな伊澤さんが感じる、このエリアの魅力は“立地の強さ”にあるといいます。
「ここは観光地としてすごくバランスがいいんです。名古屋から90分で来られて、高山や白川郷にも白鳥ICからは1時間圏内。日帰りもできるし、滞在もできる。さらにアウトドアフィールドも充実しているので、スキー以外の楽しみもあるんですよね」
確かにスキー場単体ではなく、エリア全体で楽しめる点も大きな魅力ですね。
今後は数年をかけて夏の事業を整備し、全世代に楽しんでいただけるようなフィールドを作って
避暑地としての魅力も高めていきたいそうです。
また、アルペングループならではの表彰制度もあるとか。
「表彰制度はかなり幅広いですね。スポーツで結果を出した人もそうですし、お客様から直接褒められたというような日常の積み重ねも評価され、表彰状や金一封がもらえます」
大きな成果だけでなく、小さな積み重ねもきちんと評価される仕組み。
それが会社としても認められるのは嬉しいポイントですね。
さらにキャリアの広がりについても、伊澤さんはこう話します。
「総合職であれば、リゾートだけでなく小売や商品開発など、会社のいろんな事業に関わるチャンスがあります。普通の会社よりも選択肢は多いと思いますね」

実際に伊澤さん自身も、小売からリゾートへとフィールドを広げてきた一人。
その言葉には説得力がありました。
最後に、この場所で働く面白さについて聞くと、
「一つの施設だけじゃなくて、いろんな事業を横断して見られるのは面白いですよ。視野も広がりますし、自分の可能性も広がると思います」と穏やかに語ってくれました。
この取材を通して強く感じたのは、
「無理なく働きながら、自分の可能性を広げられる場所」だということでした。
料理人として技を磨き続けたい人も、未経験から接客に挑戦したい人も、
そして将来はリゾート全体に関わるキャリアを描きたい人も、
それぞれの想いに応えてくれる環境が、ここにはあります。
豊かな自然に囲まれながら、心地よく働き、着実に成長していく。
そんな働き方を実現したい方にとって、この場所はきっと一つの選択肢になるはずです。
(取材・執筆:水元 勇)
もしも、この宿ではたらいたら?
近隣情報
- 家賃相場
- ワンルーム(5.5万)、1DK(6.5万)
- 買い物
- スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ガソリンスタンド(車で30分)
- その他施設
- 病院(車で25分)、小学校(車で20分)
自治体情報
ギャラリー
基本情報
数字で見る
-
平均残業時間
10時間
-
年間休日
116日
-
平均勤続年数
3年
-
年間有給休暇
取得率98%
-
スタッフ数
12名
-
男女比
2 : 1
-
外国籍の人数
1人
-
平均年齢
44.0歳
- 企業名
- 株式会社アルペン
- 企業所在地
- 〒〒501‐5231
岐阜県郡上市白鳥町石徹白136 - 施設名
- 満天の宿
- 客室数
- 8
- 従業員数
- 12
- 設立
- 2014年11月
- 従業員寮
-
・あり(施設から車で5分、水道光熱費込みで月額6,000円)
-
- 家賃補助
- あり
- アクセス
-
よくある質問
面接はオンラインでも実施可能でしょうか?
はい、オンラインでの実施も可能ですので、メッセージにてご連絡ください。
車での通勤は可能でしょうか?
可能です。従業員の8割が車通勤となります。