街づくり、地域活性化にも一役。宿泊施設によるさまざまな取り組み

「地産地消」を目指したメニュー作り。さまざまな形で地元生産者の応援

まず多くの施設が取り組んでいるのが地元の食材を使ったメニュー作りです。日頃から地元の生産者と交流し、生産者から直接、肉や野菜、海産物を仕入れ、その味や特色を生かした料理を提供しています。

食材の仕入れだけにとどまらず、実際に施設のスタッフが作業をお手伝いしながら、生産者の想いや苦労を知るといった体験を行っているところもあります。また、スタッフだけではなく宿泊者が近隣の農家で田植えや稲刈りを体験できるプランがあるなど、地元生産者の協力のもと、農業体験ができる企画を積極的に実施する施設が増えてきています。

また体験以外にも、施設の売店などで地元の食材を販売したり、敷地内で定期的にマルシェを行ったりする施設も。このような活動では、宿泊者以外の人にも利用してもらうことができ、より多くの人に食材を知るきっかけにもなっているようです。

地元の観光地、伝統工芸、名物が味わえる飲食店などを巡るガイドツアーを開催

地元の観光スポット、寺社仏閣などと協力して、宿泊客向けのガイドツアーなどを開催している施設も多くあります。一般の観光客は入ることができないバックヤードに入れるツアーや現地の人の詳しい解説付きなど、地元と協力したユニークなツアーを開催しているところも多いので、そういった仕事に関わるのもおもしろいかもしれません。

それ以外にも地元の工芸品を作る工房を訪ねて手作り体験ができるプランを企画したり、工芸品や地元在住のアーティストの作品を施設内に展示するなどの取り組みを行ったりしている施設も。音楽系のアーティストと施設が協力して演奏会やイベントなども開催しています。地元在住の昔ながらの伝統工芸だけでなく、新しいアーティストの活動を応援するのにも一役買っているようです。

また、地元の名物を盛り上げたり、飲食店を応援するために、地元のお店を巡るグルメツアーを開催したり、独自でグルメマップなどを作成し、地元のお店を盛り上げる取り組みも積極的に行われています。

地元企業とのコラボや工場見学なども実施

それ以外にも地元の企業と協力してユニークな取り組みが行われているところも。

例えば、地元の町工場を見学しその加工技術を間近で体験できるプランがあったり、地元の有名菓子メーカーと施設のコラボ商品を開発して発売したり。このような同じ地域にある企業と宿泊施設が地域の活性化のために手を組み、イベントなどを企画するといった取り組みは、今後ますます広がっていきそうです。

宿泊業界へ就職・転職すると、このような地域と一緒にさまざまな取り組みを行う業務を担当する機会があるかもしれません。もし地域活性化などの取り組みに興味があるなら、就職・転職活動の際にそのような点に注目して施設を探してみるのもよいかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね。