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定番からユニークなものまで。宿泊業界の研修制度とは?

2024.09.04

業務に必要なスキルや知識を高めることを目的に行われる社員研修。就職や転職をするとそのような研修を受けることになります。実際にどのような研修を受けるのか気になるところですよね。今回は、宿泊業界でどのような研修があるのかご紹介します

入社後にすぐに行われる新人研修

就職、転職後すぐにまず多くの人が受けることになるのが新人研修です。

施設によって研修のやり方はさまざまですが、新卒採用の場合は同時に入社する同期たちと一緒に新入社員研修に参加するというのが一般的です。

特に規模が大きく、毎年まとまった人数の新入社員が入社するような施設では、最初に基本的なビジネスマナー、宿泊業界の知識、業界用語、ホテルシステム(宿泊業界向けの業務管理システム)などについて座学で学びます。その後、施設の見学をしたり、短期間でさまざまな部門を経験したりといった研修を経て、配属先が決まります。現場で業務を行いながらさらに必要な知識や仕事のやり方を身につけていきます。OJTを取り入れている施設では、だいたい期間は1~3か月ほどというところが多いようです。

転職など中途採用の場合も新人研修は行われますが、入社時期がバラバラでまとまった人数が一度に入社することが少ないので、大がかりな研修を行わない施設がほとんどのようです。簡単なレクチャーを受け、その後すぐに現場に出て必要な知識を身につけながら、仕事を覚えていくといった形で行われるのが一般的です。

必要に応じて行われる管理職や安全管理などの研修も

新人研修以外によく行われているのが、リーダー育成のために行われる管理職研修です。主に本社機能を持つ規模の大きなチェーン系の施設で行われていることが多く、マネジメントやリーダーシップ、問題解決、部下育成といった能力を高めることを目的としています。

それ以外にも施設を安全に運営していくために必要な防火・防災管理講習(自治体の消防署などが実施)、いざというときのためのAED講習、暴力団などからの不当要求による被害を防止するための不当要求防止責任者講習(自治体の警察署が実施)といったものを、必要に応じて受けることがあります。これらは、施設を運営していくうえで必要なものですが、従業員全員が受けるといった種類のものではありません。役職や担当部署などによってはこのようなものを受ける機会があるかもしれません。

着付けやテーブルマナー、宿泊体験などユニークな研修も実施

ここまでに紹介した以外にも、施設独自でユニークな研修を行っているところがたくさんあります。

例えば、旅館や和服での接客が基本の宿であれば和服の着付け、懐石料理など和食のマナー、お茶やお花に関する研修です。女将など宿のスタッフが直接教えたり、外部から専門の講師を招いたりして行われる場合が多いようです。

宿泊体験も宿泊業界でよく行われる研修のひとつ。自分が働く施設(施設によってはグループ内の他の施設に行くことも)に実際に泊まり、お客様の立場になって施設のサービスや設備を経験します。その体験で感じたことなどをその後の接客などに生かしていくことが目的です。同じ宿泊体験でも、新入社員の親御さんをご招待し宿泊いただくという珍しいプログラムを行っているところもあります。

料理関係では、地元の食材についての知識を深めるために農家さんや業者さんを訪問するといった研修を行っているところも。また調理長が調理スタッフを人気の料理屋さんに連れていき、実際にさまざまな料理を味わうことで勉強したり、刺激を受けたりといったこともよく行われているのだとか。

また、地元をよく知り、お客様への観光案内に生かすため、地元の観光スポットやレジャー施設などを回って体験するという研修を行う施設もあります。

そのほかユニークな試みとしては、各スタッフがいつもとは違う部署の仕事を体験するワークショップを行っているところも。例えば、料理長が料理を運ぶ仲居の仕事を体験することで、食事の際の料理出しがいかに大変かを知ることができます。それによって、お互いの大変さや考え方がわかり、部門間の連携やコミュニケーションがより円滑になるそうです。

これ以外にも、外部の講師を招いてのメイク研修やモチベーション研修、フレンチのコース料理を実際に食べながら学ぶテーブルマナー研修といったものが行われる施設もあるそう。


こうやって見ると、施設によってさまざまな研修が行われていることがわかりますね。ぜひ、就職、転職活動の際には、その施設でどんな研修が行われているのかもチェックしてみてください。

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