暮らし
実際どうなの? リアルな宿泊業界の寮エピソード
2024.07.30
“寮”というと、他人との共同生活でプライバシーが守れない、部屋や設備が古くて生活しにくそう…といったイメージを抱きがち。でも実際はほとんどの場合、ほぼ賃貸のアパート暮らしと変わらず、それぞれの部屋にキッチンやバス・トイレが付いているのが当たり前となっています。それ以外に建物内に共同のリビングやキッチンがあるシェアハウススタイルや、備え付けの洗濯機があるランドリースペース完備、温泉に入れる大浴場付きといった施設も。個人のプライバシーがしっかり守れるのはもちろん、さまざまな設備で魅力を感じられるような寮も増えてきています。
このようにきれいで設備の整った寮が増えている理由の一つに、宿泊業界の人不足があります。各施設は少しでも多くの人にきてほしいとさまざまな工夫をしています。特に若い人の多くは、“寮”というだけで敬遠しがち。そんな人たちに魅力的に感じてもらうため、Wi-Fiやウォシュレット、最近では宅配ボックスなどの設備など、「ここで働いて寮に入りたい」と思ってもらえるように寮を整えている施設が増えてきております。
賃貸のアパートと変わらないのであれば、わざわざ寮に入る必要があるのか?と思う人もいるかもしれません。寮に入る最大のメリットは費用面にあります。寮費(家賃)は施設によって異なりますが、だいたい2~3万円。しかも敷金・礼金などの初期費用がかからないため、出費をかなり抑えることができます。入居時に家具や家電(施設によってはベッドやテレビ、冷蔵庫などが備え付けの場合も)を準備する費用、月々の水道・光熱費などは自分で負担することになりますが、それでも一人暮らしと比べてかなり節約できるはずです。
また、同じ職場の仲間が近くにいることで心強さを感じたり、病気や災害などいざというときに助け合ったりできるという良さも。特に初めての一人暮らしの場合は不安に感じることも多いと思いますので、仕事に慣れるまでは寮で生活するのもおすすめです。実際、入社後すぐは寮に入り、お金を貯めて、仕事に慣れその施設で長く働きたいと思って、自分で部屋を探すという人が多いのだとか。新しい職場や土地に不安がある場合は、まず寮に入ってみることを検討してみるのもいいかもしれませんね。
寮の有無については多くの場合、求人票に記載がありますので、希望する場合は応募時に確認するようにしましょう。ただ、寮の具体的な状態や設備などは各施設によって異なります。詳細は面接の際に必ず確認を。寮費(家賃)はもちろん、寮の場所(隣接なのか車などでの移動が必要なのか)、共有の設備、Wi-Fiの有無なども確認しておくのがおすすめです。
また施設や設備に関して絶対に譲れないポイントは事前に明確にしておくとよいでしょう。例えば、ウォシュレットの有無(自分で設置可能か)、個人スペースのお風呂の有無(大浴場のみの場合も)など、細かい点ですが妥協できないポイントがあれば挙げておき、あわせて面接で確認すると、入ってからのミスマッチを防ぐことができます。
また、寮は完備していないが、家賃補助で対応しているという施設もあります。特に寮は単身者にしか対応しておらず、ファミリーの場合は家賃補助で対応という施設も多いので、面接時などに詳細を確認しましょう。
これ以外に、引っ越しを要する異動があるチェーン系の施設などの場合は引っ越し補助の支給、引っ越しに伴って家賃が大きく変動する場合に家賃補助の調整をしてもらえるといったこともあるので、そのようなことも確認してみましょう。
今回は、現在の宿泊業界の寮事情についてお伝えしましたが、寮に対するイメージが少し変わったのではないでしょうか。「もし宿」では、寮完備の施設の求人を多く掲載しています。宿泊業界への就職、転職を考えているなら、ぜひ寮に入ることも視野に検討してみてくださいね。