旅館

奧伊香保 旅邸 諧暢楼

戦国時代から続くもてなしの歴史を 令和時代に昇華させた贅の宿

  • 接客/サービス

情緒あふれる伊香保の石段街。最上部にどっしりと構える立派な建物が、地元で有名な老舗旅館「福一」と「諧暢楼(かいちょうろう)」です。
どちらも株式会社福一が運営していますが、今回は2008年に新ブランドとして増築された、わずか8室の大人の隠れ家「旅邸 諧暢楼」にお話を伺いました。

「人が好きという」原動力を胸に、
未経験からわずか4年でリーダーに。

まず諧暢楼館内で出迎えてくれたのは、お食事処サーバー担当の堤梨枝さん。
入社5年目、リーダーを務めています。

そんな堤さん、以前は美容師としてブライダルのヘアメイクを手掛けたり、異業種でのお仕事経験がたくさんあったそう。手に職もあったのに、なぜ未経験だった宿泊業界へ移られたのでしょう?
「ずっと旅館で働くことに憧れていたんです。ドラマで見た、華やかな世界が忘れられなくて。チャレンジするなら今だ!と、思い立ったらもう飛び込んでいました。」
様々な社会人経験を経て、そこから未知の世界に挑戦するには相当な勇気とパワーが必要なはず。堤さんのチャレンジ精神と決断力、私も見習いたいものです。

そしてせっかくなら地元群馬で働こうと福一の門を叩き、晴れて旅館勤務デビューとなるわけですが、やっぱり最初は不安だらけ。とにかく早く周りから認められたいという一心で頑張ったそう。

「何もかも一からで、器や食材なんかも何も知らなかったんです。先輩や料理長にいろんな知識を教えてもらって、何とかここまで。」
そう話しながら案内してくださる堤さんは、指の先まで所作が美しく、思わず見惚れるほど。
その一つひとつが、見えない努力から生まれているんですね。


 そんな堤さんの頑張りはちゃんと周りにも認められ、昨年リーダーという役職に抜擢。未経験でのスタートから、今ではすっかり頼られる存在になりました。
経験も年齢も自分よりうんと先輩の部下もいる中、一人ひとりと向き合い、プライベートでは大好きな旅行でリフレッシュ。リーダーとはいえ、お休みもしっかりとれているようで安心です。

諧暢楼は全てにおいてハイレベルで贅沢なおもてなしをモットーにしており、客室は8室のみ、お食事も完全個室。そういう意味で、お客さま一人ひとりとの距離がとても近いそう。
「ここで働いて良かったと思えるのは、お客さまの喜ぶお顔を近くで見られたときです」と、堤さんの顔がほころびます。

「うちではお客さまの召し上がるスピードに合わせて、お料理をよそって運んでるんですけど。お邪魔にならないように、時々そっと様子を伺うんです。大体どのくらい進んでるかなとか。
それでお客さまから『さっきから絶妙なタイミングで料理が出てくるけど、カメラでもあるの?』と言われることが結構あって。完璧なタイミングで料理をお出しして喜んでもらえると、最高に嬉しいです。」

お客さまには気づかれないよう、そっとさりげなく状況を察する。相当なプロフェッショナル性を感じますが、私も堤さんに教えてもらえば、できるようになるかしら。

最近は昔勤めていたスタッフが戻ってくることもあるそうで、働きやすさがアップしているところも、この宿の新しい魅力の1つかもしれません。

2児とスタッフを育てるマネージャーは、
440年の歴史で初の産休・育休取得者!

続いてお話を伺ったのは、フロント担当の征矢野千加恵さんです。

東京のホテルで勤務されたのちに諧暢楼にやってきた、今年で入社11年目の宿泊マネージャー。

2人のお子さんを育てるお母さんでもあるとお聞きしましたが、どんな働き方をされているんでしょうか。
 

『周りの理解と協力のおかげで、たとえ延びても学童保育のお迎えに間に合うように、17時には上がれています。」

産休明けから2ヶ月が経ち、今は時短シフト勤務。 よくある保育園からの呼び出しも、支配人や同僚たちが「早く行ってあげて!」と快く送り出してくれるんだとか。

こうしてみんながお互いに協力し合えるのも、今まで築き上げてきた信頼関係があるからこそなんでしょうね。


「ここはまだ古い感覚が残る田舎ですし、出産して戻るのは難しい雰囲気があって。」

そう話す征矢野さんが最初に産休・育休を取られたのは、7年前に1人目を妊娠されたとき。
なんと、「諧暢楼」「福一」全体で、初めての産休・育休取得者だったそう。

「宿泊業界ってキツいイメージがあると思うんですが、ここは本当に働きやすいんです。社長は何でも相談しやすくて、常にみんなを気にかけてくださってるのを日々感じます。」
 

そしてスタッフの意見が実現しやすいのも、この職場の良いところだとか。
「例えばアメニティとか『こんなのがあった』って、支配人との雑談で伝えてみたんです。するとすぐに『それいいね』って、実現に向けて動いてくれたり。」
これが大企業だとステップが何個もあって、承認、承認、承認でやっと…!となりがちですが、諧暢楼では役職に関係なく、自由に意見を言える環境が整っているようです。

ところで、こういうハイクラスな旅館は海外のお客さまからも人気ですよね?
はたらくうえで英語力がどれくらい必要なのかは、気になるところですが。
「英語がペラペラ喋れることよりも、お互い確認しながら通じ合っていくことの方が大事じゃないかと思います。何よりまず、もてなしたい気持ちがある人が向いているかと。最近はポケット翻訳もありますし。」
たしかに。機械で越えられない魅力の一つが、もてなす人のあたたかさですもんね。

ここではたらく人は、一人ひとり自分が何をしてあげたいのか、相手のためにどう動くのが良いのか、その考えをはっきり持っているようです。
現在持っているスキルがどうかより、常にお客さまの気持ちに寄り添って考えられる方が、ここに合っているんだろうなと感じました。

スタッフとその家族の幸せを守ることで、
はじめてサービス業が成り立つ。

昨年18代目社長へと代替わりをし、新体制をスタートさせた「諧暢楼」と「福一」。
取材の中で皆さんが口にしていた「働きやすくなった」というのは、いったい何が変わったのでしょう?
社長とともに働き方改革をすすめる、常務取締役の佐藤陽一さんに伺いました。
 

「お恥ずかしながら、昨年から休館日をようやく設けられました。今まではまとまった休みを取りづらく、スタッフもなかなか定着せずという状況でしたね。」
みんなが働きやすいようにするためにはまずはここを変えねばと、去年から年間計画の時点で休館日を落とし込むように。
すると連休も取りやすくなり、スタッフさんたちは「お休みはどこか旅行に!」など、よりプライベートが楽しめる環境に変わったそうです。
 

昨年18代目社長へと代替わりをし、新体制をスタートさせた「諧暢楼」と「福一」。
取材の中で皆さんが口にしていた「働きやすくなった」というのは、いったい何が変わったのでしょう?
社長とともに働き方改革をすすめる、常務取締役の佐藤陽一さんに伺いました。

「お恥ずかしながら、昨年から休館日をようやく設けられました。今まではまとまった休みを取りづらく、スタッフもなかなか定着せずという状況でしたね。」
みんなが働きやすいようにするためにはまずはここを変えねばと、去年から年間計画の時点で休館日を落とし込むように。
すると連休も取りやすくなり、スタッフさんたちは「お休みはどこか旅行に!」など、よりプライベートが楽しめる環境に変わったそうです。
 

佐藤さんのこうした改革に対する大きな思いには、深い理由が。
というのも、2002年に新卒で福一に入社してから22年間、時代とともに移り変わる宿の様子をずっと見てきた方なのです。

「ハード面での変更や新ブランドの立ち上げ、Web販売チームの強化とか、そういう転換点は今までもあったんです。でも組織体の変革っていうのは、長年いた中でも初めての試みで。私も役員という立場になって、宿はもちろん、ここで働くみんなと一緒に歩んでいきたいという気持ちが、より大きくなりました。」
そう語る優しい笑顔に、今までの歴史を知るからこその熱意も表れていました。

今後はさらに、キャリアアップの仕方や福利厚生もどんどんアップデートしていくとのこと。
「諧暢楼と福一って、今までは分断というか、組織的にはちょっと別だったんです。でもこれからは、福一の中である程度揉まれてから諧暢楼でステップアップするとか、諧暢楼が持ってる接客ノウハウを福一に伝えていくとか、両施設の行き来を増やして、相乗効果で高めていきたいなと。」

同じ会社とはいえ、コンセプトが全く違う2施設。それだけにどちらも経験できたら、一人ひとりの接客スキルも上がり、将来の目標も高く持てそうです。

「あとは、サービス業界ってシフト制なので、スタッフとご家族の理解があってこそ成り立ってるんですよ。なので、うちを支えてくれている人たち全員に感謝したい、というのがすごくあって。例えば食事会みたいなものを、全従業員とご家族も招待して開催する計画もあります。」

それ、なんだかとっても楽しそう!
全社員対象なら両施設を越えたスタッフ同士の交流にも繋がりますし、ご家族もどんな職場でどんな人たちと働いてるのか窺い知れたりと、良い機会ですね。

サービス業だからこそ、はたらく人たちやそのご家族の理解に頼るだけではなく、会社としてもきちんと還元していきたいという気持ちが伝わってきました。
 

ハイクラスな旅館といえば、接客のベテランばかりが揃っているイメージがありますが、諧暢楼で働く人たちは、いろんなルーツや個性があってユニーク。
元美容師や元エンジニアの人まで。

いろんな人がいるから助け合える、日々新しい発想も生まれる。
歴史があるからこそ、しっかりとした基礎のもと、一人ひとりが柔軟に働けるのかもしれません。

良き伝統は受け継ぎつつ、これまでにない、時代に合ったサービスも生み出していきたい挑戦者の応募を、お待ちしています。


 (取材・執筆:斉藤 真央)

もしもこの宿ではたらいたら?

近隣情報

家賃相場
渋川市は1Kで3.5万円、2DKで4.3万円程度
買い物
コンビニ(550m)、石段街に飲食店多数あり
その他施設
郵便局(1.5km)、小学校(1.4km)など
交通情報
渋川駅までバス30分、車で20分、伊香保石段街バス停から徒歩7分

自治体情報

基本情報

数字で見る

  • 平均残業時間

    15時間

  • 年間休日

    105

  • 平均勤続年数

    5

  • 年間有給休暇
    取得率

    30%

  • スタッフ数

    23

  • 男女比

    6 男性 : 4 女性

  • 外国籍の人数

    2

  • 平均年齢

    45.0

企業名
株式会社福一
企業所在地
〒377-0102
群馬県渋川市伊香保町伊香保香湯5-4
施設名
奧伊香保 旅邸 諧暢楼
客室数
8
従業員数
231
設立
2023年1月12日
従業員寮

施設から徒歩30分、車で5分
5,000円/月

家賃補助
あり
アクセス

よくある質問

未経験でも大丈夫ですが?

問題ございません。
当館でも未経験、異業種からの方がたくさん活躍しています。

インターシップ制度はありますか?

随時、インターンシップを実施しておりますので、
お問い合わせよりご連絡ください。"

寮の他に家賃補助などはありますか?

社員寮の他に家賃補助制度もございます。

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