旅館
船山温泉
本気で旅館造りがしたい、プロフェッショナルを目指すあなたへ
- 調理人/厨房
首都圏からも富士五湖からもそう遠くはないのに、どことなく秘境らしさを感じる身延山の奥座敷。雄大な木々を見上げ、山梨の大自然に圧倒されながら車を進めると、船山川のほとりに佇む一軒宿が見えてきました。こちらが本日ご紹介する『船山温泉』です。
お客様の笑顔と、
スタッフがなによりの宝物
「良く来たね」と出迎えて下さったのは、5代目社長の武井 稔さん。
船山温泉は明治25年8月創業の歴史をもつ湯治場。先代が旅館として整備し、武井さんが現代のニーズに合わせ、個人旅行向けの宿へと変貌させていったそうです。
「昔は宴会のお客様を迎えるような、一泊二食付8,800円の宿だったんです。平日は日帰り休憩で蕎麦を出していたので、朝昼晩ずっと働きづめでした。でもそれじゃあスタッフも、そのご家族も大変でしょうということで、今のスタイルに変えたんです。」
船山温泉は旅館では珍しい、休館日を設けた完全週休2日制を実施しています。
「スタッフは宝ですからね。休館日を設けることでしっかり連休を取ってもらっています。でもこの旅館をよくするために、僕はミスをした時はきちんと叱ります。『良いよ、良いよ』なんて言ってくれる職場は何も成長しない。実は今朝も、調理場の若手を叱ってしまって。」
何かあったんですか?
「食事で使うたくあんが足りなくて買ってきてほしいと頼んだら、黄色いたくあんを買ってきたんです。」
黄色いたくあんだとダメなんですか?
「お客様はうちの旅館に決して安くない料金を払って、山で採れたジビエや山菜、新鮮な川魚などを楽しみに来られます。『忙しい』といって簡単に済ますのではなく、『うちの旅館の価値』が分かっていれば、食堂で出てくるような、着色料のついた黄色いたくあんではダメな事が分かるはずなんです。」
たくあん、一つでも手を抜かない姿勢から「お客様には満足ではなく、感動を持ち帰ってもらいたい」という武井さんが大切にしている「船山温泉の価値」がよく分かりました。
「叱ってばかりだよ」と笑う武井さんですが、すれ違うたびにスタッフと、冗談を言い合う姿からは確かな信頼関係が感じられました。
スタッフさんとのコミュニケーションの秘訣は何でしょう?
「ご飯を一緒に食べて、くだらない話をすることですかね。入社してもらったら、まずは一緒にうまい飯を食いに行くんです。働いている時の会話と、美味しい料理を食べている時の会話って全然違うので。そういう場のほうが、人間性がよく分かります。」
ミシュラン三ツ星を7年連続で取るような、レストランに連れて行くこともあるという武井さん。
「質の高いものを味わってもらえば、料理の経験や良い接遇の勉強に繋がるので、これは必要な出資なんです。」と話します。
「このご時世だと、プライバシーの侵害なんて言われてしまうかもしれませんが、僕はまず従業員の家族構成を知らないって、あり得ない事だと思うんです。家族構成やその人の背景を知っていれば、シフトの調整や、休みを取るときにも融通を効かせてあげられますから。」
時には厳しい言葉もかけるという武井さんですが、従業員への確かな愛情が感じられます。従業員には仕事をこなすだけではなく、「人として成長していって欲しい」という武井さん。一緒に働く方に求める人物像はどのようなものでしょうか?
「『素直・勉強好き・プラス思考』な人ですね。面接するときに、僕は技術的なことは問わないんですよ。真面目に真摯に言われたことを吸収して、『負けるもんか』と努力をする人、いつも笑顔でいられる人は必ず成長できますから。」
ジビエに人生を変えられ、
料理の世界に飛び込んだ若手ハンター
船山温泉はお料理の評価が非常に高く、新鮮な山川の幸を求めて舌の肥えたお客様が多く訪れる場所です。そんな調理場を、最近入社したばかりの若い料理人が支えているそうです。
こちらが今年4月に入社したばかりの小泉 佑樹さん。ガスの営業マンとして10年働いていた時に、偶然出会ったお店のジビエ料理に魅了され、料理の世界に飛び込んだそうです。
全く違う仕事への挑戦に、周りの方は驚いたのではないでしょうか?
「そうですね、なにせ包丁すら持ったことがなかったので。でも、とりあえずやってみて、悪かった点を改善していって、不安をひとつひとつ解消していきました。」
小泉さんは調理の専門学校に通いながら、狩猟免許も取ったそうですね。
「はい。取得して3年目なのですが、仕事をしながらだと猟には中々行けなくて。でも、
いつか自分で狩って、自分で調理することができたらなと思います。」
それは素晴らしいですね!今後、作ってみたい料理などはありますか?
「船山温泉ではソーセージやテリーヌも手作りで作っているので、ジビエ肉の加工にもっと詳しくなって、シャルキュトリー(食肉加工食品)のレパートリーを増やしていきたいと思っています。」
素敵な目標ですね。
料理人目線で見てこの宿の魅力は何でしょうか。
「お客様にゆったり、快適に過ごしていただけるよう、うちでは最大10組のお客様の予約しか受けていません。地元食材にこだわり、オーナー厳選の猪肉や熊肉、イワナの刺身といった、ここでしか味わえない料理が魅力だと思います。」
お野菜はもちろんのこと、富士の介(ふじのすけ)や、茜マスといった地元の魚も仕入れているそう。小泉さんの自然の味を生かす調理法で食材が美味しく生まれ変わっていくのですね。
それでは最後に、この宿での働きやすさについて教えてください。
「うちの社長は従業員のことを常に考え、それぞれの立場に合わせて、働きやすい環境を作ってくれています。頼みごとをお願いしたときも、すぐに実行、解決してくれるのでとても信頼しています。緑が豊かで心が癒されますし、日々の生活に疲れ、癒しを求めている方におすすめです。」
ハンターとして、料理人として、小泉さんが作るジビエコースがいただける日もそう遠くはないのかもしれません。楽しみですね!
まっすぐなものは、まっすぐに。
光っているものは、光っているように。
チームプレーが光る仲良しトリオ!
わいわいと仲良し姉妹のような雰囲気で集まって下さったのは、清掃スタッフの佐野こず恵さん、黒田アイ子さん、志村美子さんのお三方です。
佐野さんは働いて14年目、黒田さんは13年、志村さんは3年目になるそう。お子様が成長して時間ができたり、コロナを機に転職をしたり、ご事情は色々ですが佐野さんと黒田さんは特に勤続年数が長いですね。
「そうですね、いつの間にかこんなに経ってました(笑)」
皆様のお仕事の1日の流れを教えていただけますか?
「7時すぎに早番2人が来て、まず館内と大浴場の清掃をします。8時45分に遅番1人が出勤してきたら3人で朝食の片付けをして、客室清掃に入って14時まで働きます。」
14時にお仕事が終わるというのは、プライベートの時間も取れて、家庭をお持ちの方でも働きやすそうですね。
船山温泉さんはチェックインが13時でチェックアウトが11時なので正味2時間しか清掃時間がありませんよね。限られた時間の中、10部屋の清掃は大変ではありませんか?
「はい!いつも走り回っています(笑)他のお客様がまだいらっしゃるうちは、大きな音が出ない拭き掃除や、ベッドメイキングを行います。お客様全員がお帰りになられてからが勝負ですね。」
2時間で終わらせるコツがあるのでしょうか?
「私たちは3人で役割分担をして、清掃レーンを決めてやっています。1.2番レーンの担当で、まずベッドメイクして、終わったら1番は洗面へ、2番はトイレ、その間に3番は客室の茶器やグラスを揃えるというように1日の分担が決まっています。」
次は何をやろうかと迷う時間が省かれた、効率のいいやり方ですね!
船山温泉さんを訪れて、まず感動したのは全館畳張りの館内を裸足で歩けることでした。限られた時間の中で、埃一つない清潔感を守れるのはまさに清掃のプロの皆様のお陰ですね。
「ありがとうございます。お客様にアンケートでほめられることもあって、やりがいに繋がっています。社長から『まっすぐなものはまっすぐ、光っているものは光っているように』と言われて、日々心掛けています。」
休憩中は皆でお菓子を持ち寄ってお茶休憩をする、そんなオン・オフのしっかりとした和気あいあいとした清掃チームの皆様。インタビュー中も始終笑顔が絶えなかった、明るいお姉さま方と一緒に働くのは実に楽しそうですね!
プライベートも仕事も両立できる
火・水の週休2日制が嬉しい
最後にお集まりくださったのはフロントチームの皆様。左から勤続13年目の菊池尚さん、14年目の武井真佐子さん、6年目の熊谷美佳さんです。
元ホテルマンでお客様にじっくりと向き合って接客ができる旅館を探していて船山温泉にたどり着いたり、元々は歯科衛生士だったり、子育てが落ち着いたタイミングでお勤めになったり。こちらも三者三様の経歴をお持ちの皆さんです。
最初に船山温泉を訪れたときの第一印象はどうでしたか?
「随分田舎にあるなぁと思ったのですが、建物に入った瞬間圧倒されました。もっと古びた旅館をイメージしていたので、いい意味で裏切られました。」
その第一印象、私も分かります。大自然にぽつんと佇む小さな建物ですが、中に入ると美しい畳張りと豪華なワインセラー、洗練されたモダンな空間に心を奪われてしまいました。
「私は初めての仕事なので不安でいっぱいでした。社長も強面で緊張しちゃって(笑)。
でも話すと、とても気さくで、働く時間も臨機応変に対応してくれてとても助かっています。」
今では社長と冗談も交わしながら、楽しく働いていらっしゃる様子の熊谷さん。パートとして家庭の時間と両立できるのが、とても自分のライフスタイルに合っているのだとか。
「初めての時は私も不安でした。でも当時は年配の方が多かったので、娘のように可愛がってもらいながら、お客様に助けられていました。『ありがとう』の言葉がやり甲斐でしたね。」
武井さんは歯科衛生士から突然若女将になられて、ご苦労も多かったと思います。昔からのリピーターが多い旅館なので、スタッフとの話を楽しみにいらっしゃるお客様も多いそうです。
「お客様との距離は本当に近いと思います。ホテルだとお客様とお話する時間は限られると思いますが、ここでは1人ずつゆっくりとお話ができるので嬉しいです。小さな宿なので、お客様目線で仕事ができるのも良いですね。」
社長の旅館に取り組む姿勢に感銘を受けて入社を決めたという菊池さんですが、菊池さんから見て社長はどんな人でしょう?
「旅館造りに本気で取り組んでいて、こだわりと触れ合いの心を持った、芯の強い人です。『すぐやる、必ずやる、できるまでやる』を地で行っている人なので尊敬しています。」
お客様のことを誰よりも考えている社長と、お客様が大好きな菊池さんだからこそ、波長が合うのでしょうね。
最後に、未来の仲間へ一言、お願い致します。
(熊谷さん)
「ミスをしてしまっても皆さんが助けてくれるので、心強いです。私も新しく来てくれた方を優しくサポートしたいと思いますので、安心して来てほしいです。」
(武井さん)
「船山温泉は、のどかな風景広がる田舎町です。ゆったり、のんびりと暮らしたい、人とお話しするのが好きな方は是非一度お越しになってみて下さい。」
(菊池さん)
「繁忙期でも火・水週休2日制を徹底し、旅館としては珍しいやり方をしています。プライベートとの両立もしやすいので、その点もおすすめポイントですよ。」
最後に武井さんからも未来の仲間に向けて、メッセージをいただきました。
「私達は夢と誇りを持って、お客さまに感動を提供するために頑張っています。毎日の仕事にやり甲斐が無ければつまらない。自分の仕事に夢と誇りを持ちたい。そう思った方、私達と一緒にお客さまに感動いただける『おもてなし』を目指しませんか?あなたの元気な力と笑顔を待っています。」
お客様を喜ばせるプロが集まる船山温泉で、あなたも一緒に夢と誇りを追いかけてみませんか?
(取材・執筆:永井優美)
もしも、この宿ではたらいたら?
近隣情報
- 家賃相場
- 周辺の家賃相場は2DKで5万円程度
- 買い物
- スーパー(3.7 km/車で7分)、コンビニ(3.6km/車で7分)
- その他施設
- 小学校(6.0km/車で10分)、中学校(4.2km/車で8分)、高校(5.6 km/車で10分)、郵便局(4.1 km/車で8分)
- 交通情報
- JR身延線内船駅より車で10分
新東名高速新清水JCT経由、中部横断自動車道・南部ICより車で6分
自治体情報
ギャラリー
基本情報
数字で見る
-
平均残業時間
30時間
-
年間休日
104日
-
平均勤続年数
10年
-
年間有給休暇
取得率90%
-
スタッフ数
8名
-
男女比
7 : 3
-
平均年齢
50.0歳
- 企業名
- 株式会社船山
- 企業所在地
- 〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷10617 - 施設名
- 船山温泉
- 客室数
- 10
- 従業員数
- 8
- 設立
- 1892年8月
- 従業員寮
-
借上げアパートあり。
本人負担:17,500円+水光熱費
家賃半額負担(上限25,000円)
- 家賃補助
- あり
- アクセス
-
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