いくつ分かる? ホテルや旅館でよく使われる業界用語 Part4
2026.05.15
1.ADR(平均客室単価)
ADRとは、「Average Daily Rate」の略で、平均客室単価を意味します。
「客室の総売上 ÷ 販売した客室数」
で算出され、1室あたり平均いくらで販売できたかを示す指標です。
例えば、同じ満室でも、
1泊8,000円で満室
1泊20,000円で満室
では、当然売上は大きく変わります。
ADRは、「どれくらいの価格で客室を販売できているか」を把握するための重要な数字であり、ホテルの価格設定や販売戦略を考える上で欠かせない指標です。「今週はインバウンド需要が強いからADRを上げよう」など、収益管理の場面で頻繁に使われています。
2.OCC(客室稼働率)
OCCとは、「Occupancy Rate」の略で、客室稼働率を意味します。
「販売した客室数 ÷ 販売可能な総客室数 ×100」
で算出され、ホテル全体の客室がどれだけ埋まっているかを示します。つまり、そのホテルの“人気度”や“集客力”を見るための重要な指標です。
例えば、
100室あるホテルで、80室が埋まっていればOCCは80%となります。
宿泊業界では、「どうやってOCCを上げるか」が重要なテーマの一つ。
特に平日や閑散期は、宿泊プランや価格調整を行いながら稼働率を高めていきます。
3.RevPAR(販売可能客室あたり収益)
RevPARとは、「Revenue Per Available Room」の略で、販売可能な全客室あたりの収益を示します。
計算方法は、
ADR × OCC
または
客室の総売上 ÷ 販売可能な総客室数です。
ADRとOCCの両方を反映するため、ホテルの収益性を測る最も重要な経営指標の一つとされています。
例えば、
客室単価は高いけれど空室が多い
満室だが価格が安すぎるといった状況では、RevPARは伸びません。
そのため、ホテルでは「単価」と「稼働率」のバランスを見ながら、最適な販売戦略を考えています。
4.グロス(Gross)・ネット(Net)
グロスとネットは、料金や契約に関する用語です。
(1)グロス(Gross)
旅行代理店への手数料などを含んだ“総額”の料金。
(2)ネット(Net)
手数料などを差し引いた後に、ホテル側が実際に受け取る“手取り”の料金。
旅行会社やOTA(予約サイト)との契約・精算時によく使われる言葉で、販売管理や営業担当になると頻繁に登場します。特に宿泊業界では、旅行代理店や予約サイト経由の販売も多いため、「実際にいくら利益が残るのか」を理解することが重要になります。
5.インバウンド関連のホテル用語
近年、宿泊業界で特に重要度が高まっているのが、訪日外国人旅行客=“インバウンド”への対応です。
(1)インバウンド(Inbound)
外国から日本へ訪れる旅行のこと。円安や観光需要の回復により、現在の宿泊業界ではインバウンド需要が売上に大きく影響しています。
(2)FIT(フィット)
「Foreign Independent Traveler」の略。
団体旅行ではなく、個人で旅行する外国人観光客を指します。最近ではFIT需要が増え、“個人旅行向けサービス”を強化する宿も増えています。
(3)ハラル(Halal)
イスラム教の教えで「許されている」という意味。特に食事制限に関する言葉として使われます。
ムスリム(イスラム教徒)のお客様を受け入れる際には、豚肉やアルコールを避けた食事対応などが求められることがあります。
(4)ヴィーガン(Vegan)/ベジタリアン(Vegetarian)
食の多様性に関する重要ワードです。
・ヴィーガン:卵や乳製品も口にしない完全菜食主義者海外ゲスト対応では、こうした食文化への理解も重要な接客スキルの一つになっています。
・ベジタリアン:肉や魚を食べない菜食主義者
最初は難しく感じる業界用語も、意味が分かると現場の会話や仕事の意図が見えてきます。特に今回ご紹介した言葉は、ホテルの経営や売上に直結する重要なキーワードばかり。「接客」だけでなく、「経営」や「マーケティング」にも興味がある方は、ぜひ少しずつ覚えてみてください。