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インタビュー

【宿で働く人インタビュー】 宿、スキー場、キャンプ場を統括。経験を積んでさらに宿のクオリティを追求 満天の宿 支配人 伊澤友康さん

2026.05.01

今回お話を伺ったのは、岐阜県郡上市にある「満天の宿」で支配人を務める伊澤友康さん。こちらは敷地内にスキー場やキャンプ場を備えていて、それらの施設の責任者も務めています。宿を含めた施設全体を統括するちょっと特殊な支配人のお仕事とはどのようなものなのでしょうか。

スポーツ用品店の店長を経て、異動で支配人に

岐阜県郡上市にある「満天の宿」は、全8室の静かな宿。全客室に天然温泉の露天風呂を備え、飛騨牛や奥美濃地鶏、新鮮な有機野菜など地元の食材をふんだんに使った懐石料理を味わうことができます。また、宿にはキャンプ場とスキー場「ウイングヒルズ白鳥リゾート」を併設。豊かな自然の中で、温泉、スキー、キャンプなど思い思いの過ごし方ができる通年型のリゾート施設です。

実はこちら、スポーツ用品店の「アルペン」や「スポーツデポ」などを手掛ける株式会社アルペンが運営する施設。

「この施設の支配人になって3年くらいです。新卒で会社に就職して、アルペンやスポーツデポの店舗で働いていました。最初は店舗スタッフとして、その後に何店舗かで店長やエリアマネージャーなどの仕事も経験して、人事異動でこちらの支配人になることに。会社としては業種が異なるいろいろな部署があるため、他部署への配転というのは珍しくはないんですが、自分は店舗以外が初めてだったので、転職したくらい環境が変わりましたね。自分にやれるかなという不安がすごくあって、『副支配人くらいからがいいんですが…』という話もしたんですが、『大丈夫だから』と言っていただきまして、思い切って飛び込んだ感じです」

今までとは全く違う仕事内容に最初は戸惑うことの連続だったのだとか。

「例えば、組織を作るとか、時期的な課題とか、どのような経費がネックになっているのかとか、そういったことは店舗でも宿泊施設でも原理原則は大きく変わらないので対応できるんです。でも何か問題が起こったときに、それが表面的なことが原因じゃなくて、後ろにいくつも原因があるようなときにはそれが全く見えてこないんですよね。圧倒的に経験値がないので」

そんな時に相談したのは、近隣エリアで宿泊施設を営むほかの支配人さんや社長さんたちだったと言います。

「そういった方たちとお話しする機会が結構ありまして。自分から積極的に作るようにしているというのもあるんですけど。『全然わからないので教えてください』という感じで話を聞くようにしています。みなさんとても優しく教えてくださいますね。地域や近隣エリアで協力してインバウンド向けに営業をかけるとか、PRをする機会も多いので、ライバルでもありますが仲間としてこのエリアを盛り上げていこうとい感じがあります」

さまざまな方のお話を聞いたりアドバイスをいただいたりしながら、少しずつ経験を積んでいるとのこと。

「聞いてみると、同じようなことに悩んでいる施設があるので、どこも似たような感じなんだなと思うことも多いです。ほかの施設さんがやっていることを自分のところでも試してみたり。そうしながら少しずつ解決法を学んでいっているという感じですね」

お客様の評価がモチベーション。規模が大きい分、成果も大きい

そんな伊澤さんの1日は、日によって変化が大きく、1日中施設にいるということはほとんどないのだそう。

「本社が名古屋にあるので、名古屋に行くこともありますし、営業活動に出ていることもあります。1日宿にいるのは何かトラブルがあったときくらいですね。宿には宿、スキー場にはスキー場と、それぞれ施設ごとの責任者もいますので、その上で全体を統括しているのが自分と言う感じです。このエリアを見る、エリアマネージャーのような感じをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません」

そんな通常の宿の支配人とはまた違った働き方ですが、支配人として心がけているのはどんなことなのでしょうか。

「支配人の役割は、お客様からの評価を客観的に見ることだと思っています。売り上げはもちろんなんですが、どれくらいお客様が増えているのか、リピーターのお客様がどれくらいいるのかなど、そういった数字は指標になってくるので、しっかり見るようにしています。あとは、組織として問題になるような人間関係のトラブルが起こったら、きちんとそこに介入して解決すること。きちんと対応することが組織力を上げることにつながると思うので」

そんな伊澤さんが支配人の仕事をしていて、一番やりがいを感じるのはどんな時なのでしょうか。

「やはりこれだけの施設を統括するとなると、自分に任される仕事の大きさが桁違いに大きくなりますし、それが上手くいったときの成果もすごく大きい。それが自分にとってはすごくやりがいを感じます。逆にそれにプレッシャーを感じてしまうような人には難しい仕事なのかなと思います。店舗時代と変わらないのは、お客様から『ありがとう』と言っていただけるのはうれしいですし、励みになる瞬間です」

逆に大変なことについてもお伺いすると。

「何をやってもうまく結果に繋がらない時ですね。そんな時は本当にしんどいです。こういう課題があるから、こうしてみようと取り組むも上手くいかない。じゃあ、次はあれを試してみようと思ってもまた上手くいかない。多くは短期的にですが、そういった事が続くことはやはりあるんです。特に、自分の立場でそういうことをやると、動いてくれる人が多くなるので、申し訳ない気持ちにもなります。その度にやっぱり成功率を上げていかないといけないなと思います。結果が出なくても、それをどうにかして最終的には打破するしかない、やり続けるしかないと思っています。そのためにもっと経験や知見を積まないといけないなぁと。やっぱり経験値や知識のある人の方が、上手くいく確率が高かったり、上手くいかない時の軌道修正が早かったりということがあると思うんですね。だからもっと経験や知見を積んで成功率を高めていきたいなと思います」

クオリティを追求すると、やっぱり最後は「人」が大切

リゾート施設とうことで、お客様もリラックスして過ごす方が多いため、それに合わせた「ホスピタリティレベルの高い接客」が求められると言います。

「やはりリゾート施設ということでリラックスして過ごされるお客様が多いので、スタッフは気が利く人、笑顔がいい人が向いているかなと思います。カチッとした固い雰囲気よりも安らげるような親しみやすい接客ができる人の方が相性がいいんですよね。自分がお客様だったらどうしてほしいのかを自分なりに考えて動けるような人がきてくれるとうれしいですね」

支配人として、採用も担当することも。面接などで心がけていることをお伺いすると。

「『忍耐力があるか』『向上心があるか』『柔軟性があるか』を見ます。あまり過去の経験とかは気にしていないですね。例えば、『おもてなしの質を高めて欲しい』って言った時に、自分が求めているレベルまで持っていけるように根気強く頑張ってくれるとか。そこまで現実的でなくてもいいから『こんなことがやりたい』ってちょっと大きなビジョンを持っているとか、『やりたい事と会社方針が違ってもきちんと受け入れられそうか』とか、そういった点を自分の中では大切にしています」

またリゾート施設ということで、冬季限定のアルバイトスタッフも多く、そこから正社員になる人もいるのだとか。

「通常のアルバイトや期間限定のいわゆるリゾートバイトも特に冬は多いです。そこから社員になることも結構多いですね。いいなと思う人がいれば自分から声を掛けますし、バイトしてみて『ここで働きたい』と言ってくれる場合もあります。立地だったり環境に不安があるなら、一度アルバイトとして働いてみて、そこから社員になるというのでもうちは歓迎です」

最後に今後、支配人としての目標をお伺いしました。

「旅館のことでいうと、宿のクオリティを追い求めていくこと。さらにお客様の満足度を高めていきたいなと。うちの宿の場合は、初めて温泉旅行をするというお客様よりも、これまでにいろいろな旅館を経験されたことがある方が多いんですよね。そういった方にも対価以上に想像を超えるような体験を提供していきたいと思うんです」

そのためには、館内設備的なことだけではなく、「人」が大事と伊澤さん。

「すごくきれいで料理もおいしいんだけど、なんだかスタッフの接客が残念だと、最後に印象に残るのはその接客だったりすると思うんです。宿泊施設だけの話ではないと思うんですが、『人』が良かったからもう一度来たいと思ってもらえるような施設にしていきたいです。今も実際にそういうスタッフがいてくれるんですが。そういうのは、研修よりも本人の資質の部分が大きい。そういう人が多ければ多いほど、全体の力が引きあがっていくと思うので、相乗効果でさらに人の質の高い施設を目指していけたらなと思います」

複数の施設を統括する支配人さんということで、一般的な宿泊施設の支配人さんとは違う仕事や苦労があることがわかりましたね。興味があればぜひ求人もチェックしてみてくださいね。


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■満天の宿
〒501‐5231
岐阜県郡上市白鳥町石徹白136

 

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