ライフスタイル/デザイナーズホテル
VILLA COMMUNICO
地域文化を未来へ紡ぐ、古民家のあたたかな灯
- フロント
- 接客/サービス
- 支配人
今回は、築110年の古民家を改装したオーベルジュで仲間を募集しているという話を聞き、中学の修学旅行以来となる古都・奈良にやってきました。のんびりと奈良公園を歩いていると、早速かわいらしい鹿たちがお出迎え。さらに公園内を進むと、若草山が見えてきました。その山のふもとにあるのが、薪火料理を楽しめるガストロノミー・オーベルジュ「VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)」です。
このホテルを立ち上げたのは、奈良県を中心に歴史的建築物(古民家)を活用したまちづくり事業を展開している「株式会社narrative(ナラティブ)」です。同社は、奈良町にある元酒蔵を活用し、世界初のSAKE HOTEL「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」や、奈良最古の醤油蔵を宿泊施設としてリノベーションした「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」なども手がけています。そして、この「VILLA COMMUNICO」は今年9月12日に開業しました。
「文化財をまもる、いかす」をミッションに、さまざまなバックグランドを持つ人たちが活躍していて、今回この取材を調整していただいた、採用担当の浦山志穂子さんも電車の運転士だったそうです。県外からくるスタッフのために、古民家で暮らす補助制度もあるこのホテルでは、
どんな方たちが活躍しているのでしょうか。
「ただいま」と言いたくなる、温もりのある
オーベルジュを目指して
最初にお話を伺ったのはゼネラルマネージャーの木村 直樹さんです。
木村さんも元々は横浜でイタリアンのシェフをしていたそうで、宿泊業界に転身したのは6年前だそうです。
料理人からのどうしてこの業界に入ったのですか?
「料理をしながらサービスもしていたんです。地元の松山に戻ってから、ある飲食店のサービスを統括していました。そこのお店にたまたまお客様でホテルの支配人の方がいらして、声を掛けていただいたのがきっかけです。実は飲食業界に入るまではすごく人見知りで、接客は苦手だったんですよ(笑)。」
えぇ、そうだったんですね、そんな風には全然見えないです。
「お客様が求めるものや、心地よいと感じるものは一人ひとり違うので、日々自問自答しながらやっていました。でもあるとき、『テーブルマナーなどのルールは誰のためにあるのか』と考えたんです。それに気づいてからは、お客様が気軽に楽しめる雰囲気を作ることや、接客の楽しさに魅力を感じるようになりました。」
北海道や大阪など、さまざまなエリアのホテルで経験を積んできた木村さんに、奈良に来た最初の印象を伺いました。
「奈良公園にある宿泊施設として、京都や大阪とはまた違った、いい意味でギャップがありとても素敵な場所だと思いました。また、奈良県は宿泊施設が少なく、観光客の多くが京都で宿泊する現状があります。そうした課題がある中で、チャレンジングなことをしているなと感じましたね。」
木村さん自身も奈良は修学旅行以来だそうで、そういうお客様も多いとのこと。
では、このホテルはどのような存在になっていきたいのでしょうか?
「押し付けがましくなく、自然体でこの地域や環境の良さを伝えられる施設になりたいですね。うちの料理は、一つ星シェフが手がける薪料理が特徴ですが、シェフの言葉を借りるなら『ここで出す料理は東京の麻布で出すような料理とは違うんだ。田舎のおばあちゃんの家に帰省して、おばあちゃんが「おかえり」と言って出してくれるような、素朴で温かい郷土料理を提供したい』と。施設としても、そんな温かみのあるホテルを目指していきたいです。」
木村さんは、奈良の人々の温かさや穏やかさも印象的だと話します。
「奈良の人たちは本当に穏やかで優しい方が多いですね。タクシーの運転手さんにちょっと聞くだけで親切に教えてくれるし、鹿が車道にいてもクラクションを鳴らさず待っているんです。大阪だとこうはならないですね(笑)。」
パッケージされていないたくさんの魅力あるコンテンツが奈良にはまだまだあるそうです。
今後地域の魅力を伝える取り組みや、計画などはありますか?
「ここを運営している株式会社narrativeは地域の結びつきを大切にしているので、滞在だけでなく、周辺の魅力を体感できるようなことを、もっともっとやっていきたいですね。例えば器や食材、ハーブなどを自分たちとお客様が一緒に作ったり、生産者のところに行って、食べる以外の食体験が出来たらいいなと思っています。あと最近、目の前に若草山もあるので、ランチで入山チケットがついたハンバーガーのテイクアウトも始めたんです。」
鹿を見ながらハンバーガーいいですね!今日のランチそれにします。
最後に宿泊業で働く魅力を話してくれました。
「宿泊業は衣・食・住、全てがあるんです。少し大袈裟な言い方になるかもしれませんが、
お客様はここで人生の何日かを過ごしていて、それに自分たちが関われるのはとても魅力的だし、
普段生活をしていたら海外のお客様とか出会わない人たちもたくさんいます。
ファッションとか音楽とか自分の好きなモノが活かせるのも、この仕事の面白さでもありますね。」
まだまだ課題がある奈良。でもそこにはあたかい地域の人たちと一緒に、奈良の良さや文化をまもり抜く姿がありました。
世界中の人たちに特別な瞬間を
自分の力を発揮する喜びに
「やはり人脈ですね。普段出会わない著名人や、例えばある国の大統領に自分のパフォーマンスが発揮できるのはとても刺激的で楽しかったです。」
そう、ホテルで働く楽しさを話してくれたのは、10年前東京の老舗ホテルに新卒で入社し、
現在はこちらでマネージャーを務める佐野勇希さんです。
ホテル業界一筋なんですね。
10年間この業界を見てきて何か変化したところなどありますか?
「大手とベンチャーも経験もしてきたのですが、経験の有無など関係なく、やる気のある若い人がプロジェクトリーダーや責任あるポジションにつくなど、今は若手がすごく活躍できる環境になってきたなと感じますね。一昔では考えられなかったです。」
篠原さんは最近、昔同じ職場で今は人材育成のコンサルタントをしている方にお会いしたのですが、その方も「組織の作り方が最近は変わってきている」と話していたそうです。
「前は年功序列で、先輩が言ったことは絶対みたいなこともあったけど、今は若いスタッフの意見も聞きながらチームとしての組織や環境作りが大切で、この業界も変わってきたなと感じています。」
そうですよね、異業種からきた人や、未経験の人たちがたくさん活躍されていますよね。
「はい、実際うちでもパートさんや学生さんがすごく活躍していて、清掃からフロントまでできる人もいますし、あるパートさんは経営者の方に英語を教えているんですが、東京、奈良の2拠点で生活されていて、海外のゲストやエージェントに得意の英語を発揮して、とても頼りになります。また自分でエステを起業されているパートさんもいるので、いつかここでスパなども実現できるかなって思っています。」
エステ大好き人間なので、それはとても楽しみです。
今後、目指しているところなど教えていただけますか。
「奈良のオーベルジュといえば『ここだよね!』と言われるようにしていきたいです。そのためにはサービスの質も高めて、施設全体の評価を上げていきたいです。」
そのためには先ほど木村さんも話していましたが、自分の得意なことを活かすことが
大切だとか。
「本当そうですね、スタッフの得意なところを活かしつつ、マルチにできるスキルを身につける環境を整えてあげたいです。それは役職者もそうで、支配人やマネージャーだからこうだ!というスタンスではく、パートだから、社員だからと線引きするのではなく、同じ場所で働き、同じ目標を持つ仲間として、みんながオールランダーに活躍でき、楽しく働ける職場にしたいですね。」
文化財を「まもり、いかす、未来へつなげる」narrativeの挑戦は続きます。
街作りで自治体などと連携しながら、県内で関係する人たちを増やす取り組みは宿泊施設だけでなく、飲食店でも、住宅でも構わないと考えているそうで、最近は県外からの依頼も増えてきているそうです。
奈良の魅力と日本文化を世界に発信する“伝承人”として、新たなキャリアを始めませんか?
(取材・執筆:水元 勇)
もしも、この宿ではたらいたら?
近隣情報
- 家賃相場
- 1K〜1DK(4.3万〜6万)
- 買い物
- コンビニ(4km)、スーパー(7km)
- その他施設
- 病院(5.8km)、小学校(2.6km)、歯科(2.7km)
- 交通情報
- ・近鉄奈良駅(車で10分)
・春日大社本殿 バス停(徒歩4分)
自治体情報
ギャラリー
基本情報
数字で見る
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年間休日
105日
-
平均勤続年数
1年
-
スタッフ数
15名
-
男女比
2 : 3
- 企業名
- 株式会社narrative operation
- 企業所在地
- 〒630-8211
奈良県奈良市雑司町486-5 - 施設名
- VILLA COMMUNICO
- 客室数
- 5
- 従業員数
- 15
- 設立
- 2023年6月1日
- 家賃補助
- 古民家の紹介や補助あり
- アクセス
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